2012年10 月31日 (水)
今夜スタートの遠歩
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講演の梯子
先週の土曜日、熊本にて、礒濱先生が大会長の「肺サーファクタント学会」で、特別講演の演者として「熊薬における呼吸器研究の歴史と新しい過剰粘液産生マウス」について話をした。講演は10時45分から11時45分までであったが、肺サーファクタントの研究をやっていた時代の懐かしい先生方にもお会いでき、良い時間を持てた。その後、12時50分発の宮崎行き高速バスに乗り、宮崎観光ホテルでの学会(九州支部会)へと向った。バスの中はリクライニングが快適であり、科研費の締切りで寝ていなかったため、爆睡し、アッという間に宮崎市内に着いた。ところが、市内は大きな祭りがあり、大渋滞。バスの運転手が手前の宮交シティで降りた方が良いと言うことで、早めに降りた。すでに16時過ぎ。講演は17時から。早歩きで、大淀川沿いの宮崎観光ホテルに向う。会場内に入ったのは、16時45分。前講演者の発表が少し長引いていたのが幸いし、その後、1時間程、Physical Medicine「バイオメトロノーム」の開発ものがたりの話をした。温泉療法や物理療法に興味を持ち、臨床の現場で実践しているドクター達だったので、大変興味を持って頂いた。懇親会では、私が4,5才の頃に椎葉村立病院で勤務されていたドクターにもお会いでき(ドクターの名前は両親から良く聞いていたが、お会いしたのは初めてであった)、大変懐かしく、その他、参加者の先生方と共通の知人がいて、本当に世間は狭いことを実感した。2次会はなかったので、宮崎にいる大学時代の親友と教え子に急遽連絡をとり(既に10時)、椎葉出身のママさんが経営しているバーに行って、結局、午前2時まで話が尽きずーーー。バーで出た、手作りの漬け物は最高だった。また、27日が私の誕生日でもあったため、宮崎での懇親会ではりっぱな花束をサプライズで頂き、さらには、バーではワインを一本サービスしてくれた。本当に充実したバースデイだった。翌朝、9時過ぎの高速バスで熊本に帰った。先週は水曜、木曜と薬学会関連の会議で東京出張もあり、科研費もありとなかなかハードな週であった。
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2012年10 月23日 (火)
膠芽腫治療への道
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2012年10 月18日 (木)
副作用が無い、新規インクレチン様抗糖尿病薬の開発へ!?
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2012年10 月17日 (水)
抗ガン薬の効果をさらに高めるために
投稿情報: 08:31 | 個別ページ
2012年10 月16日 (火)
病態時の血管新生と活性酸素
活性酸素は悪玉の代表である。今朝紹介されたNature Med.8月号の論文では、血管内皮細胞中のROSなどの活性酸素が、癌や網膜症における血管新生を抑制することがわかった。DNAダメージにより活性化されるATMはROSを抑制し、血管新生を促進するという。一方、内皮特異的にATMを抑制するとROSが産生され、p38αを活性化し、この活性化は内皮細胞の増殖抑制やアポトーシス促進を起こし、病的な血管新生を抑制するという。また、ATMの阻害は正常な血管新生には影響しないという。したがって、ATMの阻害薬がVEGFのモノクローナル抗体bevacizumabに代わる、あるいは併用する血管新生抑制薬になるのではという。実際に、論文の中ではbevacizumabの併用により、癌の抑制作用がさらに増強されている。ATM欠損マウスにおいて、異常な血管新生は起こらないが、抗酸化剤N-acetylcysteinを投与すると異常な血管新生が起こってくるという知見は、抗酸化剤の臨床的有用性という観点から衝撃的である。悪玉因子が場所と場合と量によって善玉になりうることはよくあるが、それを体に良いようにコントロールすることは難しい。我田引水であるが、我々が行っているバイオメトロノームの慢性腎臓病に対する効果のメカニズム解明で、最適化した微弱パルス電流が腎臓組織においてp38を活性化し、腎炎を抑制することを明らかにしてきたが (PLoS ONE, 2012)、ROSの産生に影響せずにp38を程よく活性化するという点でATM阻害より有用であるかもしれない、と良いように考えてみた。
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2012年10 月12日 (金)
iPS細胞の研究に役に立つ成果!?
今年のNature の9月号に線虫とヒトES細胞をそれぞれ用いた同一グループによる論文2報が発表され、Chosanが紹介してくれた。まず、線虫の論文では、生殖系列細胞への分化を阻害して寿命を延長している変異体について詳細に調べた結果、体細胞におけるプロテアソーム活性が上昇していること、DAF-16がプロテアソームのサブユニットであるrpn-6.1のイントロンに結合し、発現を上昇させること、さらにrpn-6.1の過剰発現により、様々なストレスやポリグルタミン病様モデルにおいて寿命が延長することを明らかにした。
ヒトES細胞を用いた論文では、ES細胞が不死であり、プロテアソーム活性が高いメカニズムとして、上記の線虫と同様のメカニズムが関わることがわかった。プロテアソーム阻害薬がES細胞のマーカー遺伝子を発現低下すること、線虫のrpn-6.1のオルソログであるPSMD11が寿命延長(不死)に関わることを明らかにし,これらが、寿命延長の普遍的なメカニズムであることを示した有用な知見である。iPS細胞でも同様であるという。両論文とも第一著者が一緒であるというのも珍しい。
我々が明らかにした最適化された微弱電流のES細胞の膵前駆細胞への分化促進効果とその微弱電流が有するプロテアソーム阻害作用で説明できるかもしれない。現在、抗ガン薬として臨床で使われているプロテアソーム阻害薬の副作用として、今回の寿命の延長抑制あるいはストレス感受性低下という影響は何らかの表現型としてヒトで認められないのだろうか。iPS細胞にプロテアソーム阻害薬を用いて、分化制御を行ってみるのも有用かも。
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2012年10 月11日 (木)
PTSDに対して有用な薬が!?
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2012年10 月10日 (水)
祝 ノーベル賞
以前より、このブログでも紹介していた山中先生がノーベル賞を受賞しましたね。今回のノーベル賞こそ、身近に感じ、心より喜んだことはありませんでした。ただ、連日、テレビで取り上げられ、iPS研究の推進という観点からの広報としては大きなメリットがありますが、マスコミが、ウケを狙って、プライベイトの話までおもしろおかしく取り上げるのは問題であり、山中先生には、まだまだ現役で自由に研究活動をしてもらいたいだけに、マスコミはもっと考えて自粛すべきだと思います。山中先生は、常に、周りに対して心から感謝の気持ちを持っています。その積み重ねが今回の受賞に繋がり、そして、この受賞が本当の意味を持つのは、将来、患者のためになってからだという考えを持ち続けています。決して驕ること無く。ノーベル賞が決してゴールやご褒美ではないと。素晴らしい人格者です。同時期に留学していた私がサンフランシスコにて山中先生の引っ越しの御世話をしたことを、15年ぶりの再会の会議にて(私は御世話をした人のことは忘れてしまっている。私の記憶は、UCSFに留学した、薬理学者が私以外にもう一人いたということ。それが大阪市立大学から留学して来た山中先生)、いきなり私に対して、「甲斐先生、サンフランシスコでは御世話になりました」と感謝の気持ちを伝えて来た。15年ぶりにである。素晴らしい。 山中先生のような研究者がノーベル賞を受賞するということは、若い研究者達にとっても大きな意味を持つと思います。研究者は一枚一枚ベールを剥ぎながら中に隠されている真理を追究して行く。ある研究者はその一枚のベールのすぐ下にたまたま真理があり、ある研究者は何百枚ものベールを剥いでも真理に出会えないからそれを継続する。それが研究という職業である。他の研究者のことを配慮したコメントでもあり、これも山中先生らしい。下の写真は、昨年、熊本に来られた時に一緒に撮ったものである。UCSFの頃の仲間達は昨年の呼吸器学会で山中先生と共に会食を横浜でしましたが、私はあいにく参加できなかった。後悔している。UCSFで一緒に楽しんだ仲間達の多くが教授になったり、院長になったりしている。人生は面白い。
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