Cell Stem Cell の8月号から。B4のHORIジュンのプレゼン。今回の論文は、シスプラチンとPD1抗体で処理した後の頭頸部癌内にBMI1ポジティブのがん幹細胞が多いこと、PD1抗体とBMI1阻害薬を投与するとBMI1ポジティブのがん幹細胞が減るとともに、がん進行を抑制すること、BMI1阻害薬はType1 IFN ケモカインとCD8 T細胞の浸潤が増加することなどから、PD1抗体と共に、BMI1阻害薬の併用が、BMI1ポジティブのがん幹細胞が関わるがんに対して有用であることを明らかにしている。臨床の現場での有用性が証明されるのを楽しみにしたい。
2020年9 月24日 (木)
2020年9 月15日 (火)
自閉症の新たな創薬ターゲット分子
Nature 8月号から。B4の林さんのしっかりしたプレゼン。自閉症に対する治療薬候補としてオキシトシンが上がっている。自閉症の原因分子の一つとして、変異Neuroligin 3が注目されている。この分子とオキシトシンの関係を明らかにした論文。Neuroligin 3の欠損マウスでは、あるドーパミン神経の活性化におけるオキシトシンの反応性が無くなり、社会認識が低下するという。本論文では、ターゲット分子とその阻害薬 (a new, highly specific, brain-penetrant inhibitor of MAP kinase-interacting kinases: ETC-168) を治療目的に使用してみたところ、これらの自閉症モデルにおけるオキシトシンの反応性が回復し、社会認識も改善したという。
論文タイトル:Rescue of oxytocin response and social behaviour in a mouse model of autism