昨日は、本学部のオープンキャンパスであった。雨が降り出したりとあいにくの天候であったが、700名以上が集まったらしい。高校1−2年生が中心であった。公式の行事の後の恒例になってきた、私の母校の高校生と引率父兄との面会もあった。研究室内を案内した。昨夜、その一人から早速、御礼のメールが来た。熊本大学薬学部にこのような意欲ある学生がたくさん入ってきてほしいですね。
◯◯君からのメールの一部
「貴重なお時間の中でたくさんのお話を聴かせていただきありがとうございました。僕は将来、新薬の開発に携わりたいと考えていたので、進路選択において大変参考になりました。研究室を見学して第一に印象に残ったのは、黙々と研究に没頭する先輩方の姿です。先輩方は真剣な眼差しでやっぱり賢そうに見えました。また、楽しんでいるようにも見えました。『好きこそ物の上手なれ』という言葉どうり、本当に薬学が好きだからこそすばらしい研究結果を残すことができるのだなぁと思いました。次に印象に残ったのは、廊下に張り出された論文です。全てが英語で表記されていたので、詳しい内容は分からず、英語の勉強の必要性とともにどうしてここまでしなければならないのだろうと疑問に思いました。ですが、「研究に国境は無い」という言葉を聞いて自分なりに納得させられるものがありました。」
それに対する私の返事
「 ◯◯君へ。メールありがとう。母校に意欲的な後輩がいることを大変嬉しく思います。短い時間での話でしたが、私が言わんとするポイントをしっかりと理解してくれていましたね。人生を長いスパンで大きく捉えつつ、そして、足元を見つめ、一歩一歩前進していくことが大切です。人生の目標は、大学に入ることではなく、もっともっと先にあります。しかし、その目標に到達するための近道は、選択する大学や学部によって異なるかもしれません。ただ、どの大学であろうと、すなわち、その大学が近道でなくても、40−50歳代の頃にその目標とするレベルに到達すれば良いという気持ちを持ち、入った大学(環境)、あるいは企業で、精一杯、頑張って行けば良いものです。人生は何だから正しい(例えば東大に入ったから正しいとか)、何だから悪いというのは事前には分からないものです。私のブログに書きましたように、偶然は必然と思えることが多いのが人生の面白さです。だから次の偶然との出会いを楽しみに生きていこうと思えるのです(だから自殺等、本当にもったいない話です。まだまだ面白いことが待っているのですから)。◯◯君は、たまたま熊薬のオープンキャンパスに参加し、たまたま母校の先輩が教授をしていて、たまたまその教授が出張が入っていなく、たまたまその教授が名刺を渡して、ですが、これらの偶然は偶然ではなく、◯◯君の人生にとって必然であったのかもしれません。偶然を必然にして、将来の目標に到達できるよう、人生を邁進していってください。受験勉強は、知識が役に立つ、立たないということでなく、将来、本当に必要な知識を習得していく時が来た時のための脳の神経細胞のトレーニングだと思って下さい。受験勉強で脳を鍛えまくって下さい。熊薬で一緒に語れたら良いですね。」