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2012年10 月11日 (木)

PTSDに対して有用な薬が!?

PTSDに対して有用な薬が!?

Cellの8月号から。Moriuchyのプレゼン。ストレス誘発性認知機能障害において、海馬神経細胞の小胞体膜上のリアノジン受容体RyR2からカルスタビンという分子が解離することで、リアノジン受容体を介したカルシウムイオンの漏出がおこり、持続的な細胞内カルシウムイオンの上昇を引き起こしているという。その結果、グルタミン酸を介した細胞死を引き起こしやすくなっているという。カルスタビンは、ストレス時に活性化されるprotein kinase AやROSやNOSの産生増加により翻訳後修飾を受け、カルスタビンがRyR2から解離するという。すでに臨床で用いられているカルスタビン解離抑制薬 Rycalを経口で与えると、ストレス性認知機能低下を改善するという。Rycalは心不全治療薬として臨床で用いられているが、PTSDなどにも有用である可能性が期待されている。臨床からの報告が楽しみな知見である。
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