2012年10 月10日 (水)
祝 ノーベル賞祝 ノーベル賞
以前より、このブログでも紹介していた山中先生がノーベル賞を受賞しましたね。今回のノーベル賞こそ、身近に感じ、心より喜んだことはありませんでした。ただ、連日、テレビで取り上げられ、iPS研究の推進という観点からの広報としては大きなメリットがありますが、マスコミが、ウケを狙って、プライベイトの話までおもしろおかしく取り上げるのは問題であり、山中先生には、まだまだ現役で自由に研究活動をしてもらいたいだけに、マスコミはもっと考えて自粛すべきだと思います。山中先生は、常に、周りに対して心から感謝の気持ちを持っています。その積み重ねが今回の受賞に繋がり、そして、この受賞が本当の意味を持つのは、将来、患者のためになってからだという考えを持ち続けています。決して驕ること無く。ノーベル賞が決してゴールやご褒美ではないと。素晴らしい人格者です。同時期に留学していた私がサンフランシスコにて山中先生の引っ越しの御世話をしたことを、15年ぶりの再会の会議にて(私は御世話をした人のことは忘れてしまっている。私の記憶は、UCSFに留学した、薬理学者が私以外にもう一人いたということ。それが大阪市立大学から留学して来た山中先生)、いきなり私に対して、「甲斐先生、サンフランシスコでは御世話になりました」と感謝の気持ちを伝えて来た。15年ぶりにである。素晴らしい。 山中先生のような研究者がノーベル賞を受賞するということは、若い研究者達にとっても大きな意味を持つと思います。研究者は一枚一枚ベールを剥ぎながら中に隠されている真理を追究して行く。ある研究者はその一枚のベールのすぐ下にたまたま真理があり、ある研究者は何百枚ものベールを剥いでも真理に出会えないからそれを継続する。それが研究という職業である。他の研究者のことを配慮したコメントでもあり、これも山中先生らしい。下の写真は、昨年、熊本に来られた時に一緒に撮ったものである。UCSFの頃の仲間達は昨年の呼吸器学会で山中先生と共に会食を横浜でしましたが、私はあいにく参加できなかった。後悔している。UCSFで一緒に楽しんだ仲間達の多くが教授になったり、院長になったりしている。人生は面白い。