同じフロアの熊本大学薬学部の鬼木先生、猿渡先生たちの研究成果がプレスリリースされました。
日本人の約2割は肥っていなくても脂肪肝に注意】
日本人では肥満の基準を満たしていなくてもPNPLA3遺伝子に変異のある人は脂肪肝を発症しやすいことを証明~脂肪肝の効率的な予防法の開発へ~
同じフロアの熊本大学薬学部の鬼木先生、猿渡先生たちの研究成果がプレスリリースされました。
日本人の約2割は肥っていなくても脂肪肝に注意】
日本人では肥満の基準を満たしていなくてもPNPLA3遺伝子に変異のある人は脂肪肝を発症しやすいことを証明~脂肪肝の効率的な予防法の開発へ~
投稿情報: 08:22 | 個別ページ
Cell 6月号から。Johnのプレゼン。小胞体ストレスセンサーであるXBP1が樹状細胞の恒常性を破壊することによって抗腫瘍免疫を抑制するという。がん細胞において、XBP1が腫瘍形成を促すことはわかっていた。癌近傍の樹状細胞はXBP1発現量やERストレスマーカーの発現を上げ、XBP1ノックアウトマウスでは、がんは、抑制されていた。ゆえに、XBP1のサイレンシングが樹状細胞の活性を抑制した結果、抗腫瘍性T細胞の抑制作用がなくなり腫瘍免疫の活性化が起こるということが明らかになった。XBP1KOの樹状細胞(癌近傍の)においては、脂質が細胞内に蓄積してくるという。卵巣がん患者においてもデータが裏付けられている。
投稿情報: 07:48 | 個別ページ
Cancer Cell 6月号から。Takadaのプレゼン。癌性疼痛、膵管線がん、骨肉腫は痛みが強い。がん患者のQOL低下をもたらす。鎮痛薬での対応は不十分な場合が多い。これまで、癌性疼痛にVEGFR1が関与していること、VEGFR2は血管新生促進作用により腫瘍形成促進があることはわかっていたが、VEGFR1の役割は曖昧のままであった。本研究において、VEGFR1の選択的なアゴニストで疼痛促進作用が現れたという。痛覚刺激を受容するTRPV1,TRPA1ノックアウトでは、疼痛促進効果は消え、VEGFR1の下流の様々な細胞内シグナル分子 (PI3K, NOS, PLC-γ, Scr, MEK, ERK)によりTRPsの発現に影響していることがわかった。感覚神経特異的なVEGFR1欠損マウスでは、癌性疼痛軽減、神経新生が抑制されていた。がん細胞から産生されるVEGFは、末梢感覚神経細胞に存在するVEGFR1に作用し、神経新生を促すとともに、癌性疼痛を促し、可溶性VEGFR1をマウスに局所投与すると疼痛抑制が認められるという。膵臓がん患者において、膵臓における内臓感覚神経におけるVEGFR1の発現が健常人に比較して高く、また、癌性疼痛の程度に依存して発現が高かったという。現在承認されている、VEGFR1,2,3を阻害するアキシチニブは癌性疼痛に効いてくれているのだろうか?VEGFのモノクロ抗体であるベバシズマブ(アバスチン)に疼痛緩和効果はどうだろう。あまり話は聞かない。この実験においては、マウスの足にがんを作り、熱等に対する痛覚過敏を評価している。この微小環境と、ヒトの膵臓がんにおける微小環境は大きく異なり、マウスだから作用が認められたのかもしれない。
投稿情報: 08:01 | 個別ページ
Cell 5月号から。マルちゃんのプレゼン。神経の活性化がNeuroligin-3という膜タンパク質の遊離を促し、遊離したNeuroligin-3がグリオーマの増殖を促進することを明らかにした論文。これまで、神経の活性化がオリゴデンドログリア細胞および神経前駆細胞に対して強力な細胞分裂促進作用を示すことが明らかになっていた。さらにこれらの細胞がグリオーマの起源になっている可能性があることも報告されていた。本論文は、光受容タンパク質を神経に発現するグリオーマモデルマウスにおいて、光によって神経を活性化すると、グリオーマが悪化するという結果を基に、神経由来の分子を探索し、Neuroligin-3を同定した。この増殖に関わる下流の分子はPI3K-Akt-FOSだという。Neuroligin-3は自閉症とも関与しているという。ストレス社会で神経が常に興奮状態にあるとグリオーマが悪化しやすく、一方、大自然の中で暮らしている人たちは、グリオーマが悪化しにくいなどの情報があると面白いかもしれない。
投稿情報: 08:18 | 個別ページ
Nature Med. 6月号から。テら門のプレゼン。腎機能の低下により、タンパク尿から誘導される腎障害をお越し、さらに増えるタンパク尿が腎障害を雪崩的に悪化させる。糸球体上皮細胞(ポドサイト)の障害および機能障害はタンパク尿を導く。ポドサイトにおける細胞骨格タンパク質は重要であることは知られていた。本論文では、アクチンの重合や架橋の制御を行なうことでポドサイトを正常化し、CKDを改善できるのではという仮説のもとに、アクチンの制御に関わるダイナミン(GTPase)の役割を調べた。Bis-T-23(ダイナミンのアクチン依存性のオリゴマー形成とそれに伴うアクチン重合を促す化合物であり、ポドサイトのアクチン重合の促進によりFocal adhesion, stress fiberを増加させる)を様々な腎病態モデルに投与すると劇的に改善するという。腎疾患におけるポドサイトの足突起の構造異常を回復させていることから、損傷を受けた糸球体がかなりの再性能を持つことがわかり、かつ、ダイナミンのオリゴマー形成サイクルがCKD治療の有望な治療標的候補であることが示されていることが、この研究成果のポイントである。
投稿情報: 07:52 | 個別ページ
Mol. Cell 5月号から。Yurippe-のプレゼン。Mycは数千もの遺伝子を制御する転写因子である。iPS細胞の作製においても重要な役割を果たしている。Mycがターゲット遺伝子を制御するメカニズムを明らかにするために、Mycの相互作用分子であるWDR5に着目した。相互作用している両タンパク質の高次構造を明らかにし、さらに、WDR5はMyc-Maxへテロダイマーを特異的にターゲット遺伝子にリクルートするという役割があることを明らかにした。WDR5があって初めて、Mycによる腫瘍形成やiPS作製がうまくいくとのことである。Mycによる遺伝子制御機構がまだ明らかになっていなかったというところが不思議であった。
投稿情報: 16:16 | 個別ページ
Cell 5月号から。Maryのプレゼン。肥満の原因のひとつに視床下部におけるレプチン抵抗性がある。このレプチン抵抗性を改善する薬はなかった。これまで、小胞体ストレスが視床下部におけるレプチン抵抗性を誘導することが報告されていた。この報告では、celastrolというThunder God Vine由来の成分が肥満を改善し、レプチン感受性を高めることを明らかにした。そのメカニズムはPERKのリン酸化を減少させ、小胞体ストレスを低減するということらしい。植物由来のこの成分は、抗炎症、抗がん活性が報告されており、今後の展開に興味が持たれる。発表から質問まで、英語でのセミナーも心地がよいものである。
投稿情報: 16:07 | 個別ページ
Immunity 5月号から。Harukyanのプレゼン。高脂肪食を9ヶ月間という長期に与え続けたマウスは皮膚炎を起こす。皮膚における病変を調べると、CD11c+マクロファージの皮膚への浸潤、IL-1β、IL-18の産生亢進、T細胞の活性化が起こってくるという。Fatty Acid-Binding Protein (FABP)のファミリーのうち、E-FABP (FABP5)が、皮膚の細胞の細胞質内において、飽和脂肪酸に結合することにより、その可溶化を促し、核内への移行ならびにPPARγなどの核内受容体への飽和脂肪酸の受け渡しを行なっている。 FABP5はCD11c+マクロファージにおける脂肪滴形成を促進するということが知られていたが、このFABP5をノックアウトすると脂肪滴の減少と共に、IL-1β産生に重要なインフラマソーム活性化の抑制がおこることが明らかになった。このことから、肥満時の皮膚炎を抑制するためには、CD11c+マクロファージのE-FABP (FABP5)を抑制することがポイントであることが明らかになった。
投稿情報: 14:24 | 個別ページ
Nature Med. 5月号から。Tureのプレゼン。アディポネクチンが慢性炎症や自己免疫疾患においても重要な役割をしているのではないかと示唆されていた。この論文においては、炎症時に内皮細胞にT細胞がローリング接着し、ケモカイン刺激に応答して、LFA-1とICAM-1の相互作用やS1P受容体の発現上昇を引き起こすようになるが、その際に、隣接するB細胞のアディポネクチン受容体AdipoR1/2に血液中のアディポネクチンが結合し、PEPITEMというペプチドがB細胞から産生されるという。このPEPITEMは内皮細胞上のカドヘリン15に結合し、S1P (Sphingosin-1-phosphate)合成酵素が活性化され、S1Pが血液中に産生されると、隣接し、接着している活性化T細胞上のS1P受容体に作用し、LFA-1とICAM-1の相互作用が抑制され、T細胞の血管外遊走を抑制するという。このPEPITEMを腹膜炎モデル、サルモネラ菌感染モデル、肝虚血再還流モデル、ぶどう膜炎モデル、シェーグレン症候群モデルに投与すると、炎症組織において、T細胞の遊走が抑制されたという。さらに、I型糖尿病患者や関節リウマチ患者において、血中のPEPITEM濃度が減少していたり、老化が自己免疫疾患の重要なリスクファクターであることを示唆する関連データも示されている。今後、PEPITEMに関する詳細な研究が新たな治療薬の開発に繋がるかもしれないという。
投稿情報: 14:06 | 個別ページ
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