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2018年11 月 5日 (月)

健康寿命の延長薬!?

健康寿命の延長薬!?

Nature Med. 8月号から。Misakiちゃんのプレゼン。健康寿命の延長は極めて重要な社会的課題である。老化細胞(ゾンビ細胞ともいうらしい)の加齢による蓄積は老化の原因とされている。本研究は、本当にそうなのかを明らかにした論文。老化細胞を作成し、マウスに移植すると身体機能が低下し、高齢マウスへの老化細胞の移植が明確に生存率の低下も誘導している。老化細胞死抑制を促す、ダサチニブとケルセチンの併用投与により、老化細胞により低下した身体機能(歩行速度、筋力、持久力)をアップし、高齢マウスの健康寿命を延長するという。移植した老化細胞数は、全細胞の0,01-0,03%にしか過ぎないのに健康寿命が低下するというところはインパクトがある。肥満患者の脂肪細胞には、老化細胞が見られるが、ダサチニブとケルセチンの併用投与により、老化細胞を除去できることで、ヒトにも効果がある可能性を示唆している。老化細胞の移植で、実験的に健康寿命が調べられることは意外。

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2018年10 月23日 (火)

腸内細菌と肝臓ガン

腸内細菌と肝臓ガン

Science 5月号から。Shota君のプレゼン。肥満が肝臓ガンの発症を高めること、肥満による腸内細菌の変化が胆汁酸の代謝に影響し、2次胆汁酸を増加させ、それが、肝臓における慢性炎症を促すことは報告されていた。本研究では、腸内細菌の中のクロストリジウム属が2次胆汁酸の生成を促し、その2次胆汁酸が肝臓におけるNKT細胞の集積を抑制し、免疫監視機構の乱れが肝臓ガンの発生に繋がることを明らかにしている。この論文では、抗菌薬(バンコマイシンなど)の投与により、クロストリジウム属の細菌増殖を抑制し、上記のメカニズムを介して、肝臓ガンを改善するという。抗菌薬の多用にならないようにしないといけないし、臨床でも同様な結論が出るのかどうか今後、チェックする必要がある。

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2018年10 月22日 (月)

NMNとH2Sの協働と若返り

NMNとH2Sの協働と若返り

Cell 3月号から。B3 Yamagata君のプレゼン。老化抑制という観点からSirt1を活性化するNMNが注目されていたが、今回は、NMNとNaHS (H2Sの前駆体)の併用により、老齢マウスの骨格筋における毛細血管障害を回復させ、持久力の上昇を促進させることを明らかにしたという。

本年の8月に若返り薬を開発したというニュースが海外であった。その化合物は少量のH2Sをミトコンドリアに届け、スプライシングファクターに影響し、テロメアを伸長するという。上記の研究との何らかの関連があるのか?

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2018年10 月19日 (金)

抗CTLA-4抗体治療の抵抗性ガンが予測できる!?

抗CTLA-4抗体治療の抵抗性ガンが予測できる!?

Cell 4月号から。B3のTatsuo君のプレゼン。がんの免疫療法は多く注目されるようになっているが、その中のひとつである、抗CTLA-4療法に対する抵抗性があるがんが問題になっており、PD-1抗体との併用療法のより効率的な治療を行うためには、抵抗性があるがんかどうかの診断法の発見は重要である。本論文は、イピリムマブ治療抵抗性メラノーマをメラノーマ細胞におけるCRMA遺伝子群の発現で予測でき、かつ、その治療抵抗性のメカニズムにオートファジーの抑制があることを明らかにしている。落ち着いた、よいプレゼンでした。

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2018年10 月18日 (木)

アンジオテンシンII性高血圧や血管障害におけるFGF2の保護効果

アンジオテンシンII性高血圧や血管障害におけるFGF2の保護効果

Cell Metabolism 6月号から。B3 Yutaroの初プレゼン。アンジオテンシンIIがL-PPARαを介して肝臓におけるFGF21の産生を増加させ、脂肪細胞と腎臓におけるPPARγを介したACE2の発現増加がアンジオテンシンIIの代謝を促し、Ang-(1-7)を増加させるということを明らかにした研究。ACE2の発現増加は高血圧を抑制し、Ang-(1-7)の増加が線維化、血管内皮障害、血管炎症を抑制するという。ACE阻害薬とアンジオテンシン阻害薬の作用態度の違いを一部説明する研究成果かもしれない。ナイスプレゼン。

参考

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2018年10 月17日 (水)

免疫の収束機構とlncRNA

免疫の収束機構とlncRNA

Cell 4月号から。B3 Miyukiちゃんのプレゼン。自然免疫は感染防御の観点から重要であるが、恒常的に活性化状態が継続すると自己免疫疾患の誘導などに繋がっている。今回の論文は、ウイルス感染などによるRIG-1の過剰活性化を抑制するメカニズムとして、後期に発現が増えてくるRIG-1特異的に結合するlncRNAが存在することをクリアに証明した完成度の高い研究。レベルの高い初プレゼン。

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2018年10 月16日 (火)

IL-18と多発性骨髄腫

IL-18と多発性骨髄腫

Cancer Cell 4月号から。B3 Aoiの初プレゼン。多発性骨髄腫に対する治療薬として、プロテアソーム阻害薬であるボルテゾミブが使われているが、耐性獲得が問題となっている。今回の論文は、IL-18抗体とボルテゾミブとの併用により、抗腫瘍効果が増大するだけでなく、ボルテゾミブ耐性腫瘍に対しても併用では効果があるということが示されている。152名の多発性骨髄腫患者について、骨髄中IL-18量を調べたところ、IL-18が高いほど生存率が低下しているという。その差は明確であった。今後の臨床試験が楽しみである。わかりやすい初プレゼンでした。

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2018年10 月15日 (月)

新たな自己免疫疾患治療のためのターゲット!?

新たな自己免疫疾患治療のためのターゲット!?

Nature 7月号から。Yoshioのプレゼン。NLRP3インフラマソームの炎症性、免疫性疾患において重要な創薬ターゲットであることは認知され、さまざまな視点から、創薬が行われてきている。今回のNatureでは、NLRP3インフラマソーム活性化にミトコンドリアを介した酸化mtDNAが重要であること、酸化mtDNAの生成には、IRF1シグナルが必要であること、酸化mtDNAの生成には、CMPK2というデオキシヌクレオチドをリン酸化する酵素が必要であり、IRF1により増えることを明らかにしている。CMPK2を抑制することは副作用が少ない自己免疫疾患治療薬や慢性炎症性疾患治療薬になる可能性があることを示している。

 

 Sci.Rep. の6月号にMCC950というNLRP3インフラマソーム阻害薬が潰瘍性大腸炎モデルに有用であることが報告されている。この薬剤の作用点は、CMPK2でないようではあるが、この領域は、副作用が少ない低分子化合物の開発へと向かう可能性が出てきているように思う。

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2018年9 月21日 (金)

コハク酸は脂肪細胞における熱産生を促進

コハク酸は脂肪細胞における熱産生を促進

Nature vol.560から。ハルキャンのプレゼン。寒冷刺激は体内のエネルギー消費を促す刺激であり、交感神経系の活性化を通して、β3受容体刺激を介している可能性が示されていたから、β3受容体アゴニストが痩せ薬として期待されたが、臨床試験では有用性が認められなかった。そこで、寒冷刺激が交感神経系非依存的経路で、褐色脂肪細胞を活性化している可能性が考えられた。寒冷刺激時に、震えた筋肉から産生されたコハク酸は褐色脂肪細胞特異的(SLCトランスポーター)に取り込まれ、ミトコンドリア中でフマル酸に代謝される際に発生するROSによりUCP-1を活性化し、熱産生を上昇させるという。色々な示唆を与える研究成果である。

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2018年9 月20日 (木)

寒冷刺激による精子のepigenetic変化が子供の熱産生を促す

寒冷刺激による精子のepigenetic変化が子供の熱産生を促す

Nature Med. 7月号から。父マウスと母マウスを1週間8℃で寒冷刺激すると、父マウスを刺激した時のみ子マウスの褐色脂肪細胞が多くなり、熱産性能が向上し、インスリン抵抗性の改善や白色脂肪蓄積の現象が見られたという論文。そのメカニズムには精子のエピジェネティック変化が関わっているという。人においても寒い時期に親が妊娠した子供は、褐色脂肪の蓄積が多く、成人でも寒い時期に親が妊娠した場合は、活性化褐色脂肪を持つ人の割合が多かったという。人にできるような事実であれば、面白い。健康政策にも関われる可能性はあるのだろうか。

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