昨日、大学事務局にて記者発表しました.産学連携の共同研究成果から創出された大学支援商品第1号の誕生です.指定菌種、指定栽培法、指定農地産ロッカクレイシ100%の煎じ食品です。ロッカクレイシは、中国では古くから漢方薬の有用素材として有名ではあったのですが、天然では希少であり、また、高価で取引されることからあまり注目されていませんでした.
私共が研究対象として扱った熊本産ロッカクレイシに、偶然にも独特の特色があり、それを科学的に裏付けることができ、品質チェックをした初めてのロッカクレイシとして提供可能になったことが大学支援商品にした理由です.ロッカクレイシは、日本で売る限りは食品扱いですので,薬事法上、効能をうたえませんが,さらに多くの科学的なデータを出していくことにより、効能が認知されている中国等に熊本産のロッカクレイシを提供していくこともひとつの戦略だと思っています。
本来なら漢方薬に含まれている様々な生薬も、今回の研究と同様に、活性成分の同定と含有量を調べた産地のものだけを提供していく必要があるかと思いますが、実際はそれが可能な生薬はかなり限られています.私は、薬局での実務実習中の学生に対して、薬局で処方されている漢方薬の成分の産地について製薬会社に確認してみたらどうかという教育指導をしていますが、医療の現場で使われている漢方薬でも、産地とその品質保証法を明示しているものは極めて少ないのも現実です.古くからある漢方薬局が、メーカー製の漢方薬を扱わずに、独自の入手先からの産地が特定できる生薬のみを用いた漢方薬にこだわっていることが多いのもこれが理由です.
何れにせよ、今回のケースは、地元の大学(熊本大学)が地元の農業(嶋村さん)、中小企業(リファーマー)、デザイン会社(中川哲子デザイン)などに対するハブとして働き、支援したという良い地域貢献例になったと思います.
では、できたてホヤホヤのホームページ「にが茶」をご覧下さい。