2012年10 月23日 (火)
膠芽腫治療への道膠芽腫治療への道
Nature Medicine 3月号から創薬生命の学部3年のMotomuの2回目のプレゼン。脳腫瘍でも悪性度が最も高い膠芽腫 glioblastomaに対する創薬ターゲット分子が見つかったのではという論文。USP15という脱ユビキチン化酵素が膠芽腫において高発現し,TGFβのシグナル系が活性化され,ガンの悪性化に繋がっているという。USP15に対する選択的な阻害薬の開発は,今まで,放射線療法などの物理的な手法しかなかったが,より選択的な抗ガン薬でコントロールする時代がやってくるかもしれない。脳腫瘍の治療薬の難しいところは脳への移行性を高めないといけないというところであるが,大手企業で是非ともチャレンジしてほしい創薬研究プロジェクトである.USP15は乳癌や卵巣がんにおいても悪性化に関わっていることも示されていることから、脳への移行性が低くても、将来、期待できる抗ガン薬に発展していくのでは無いだろうか。一昨年、USP14(proteasome活性を逆に増強する)に選択的な抑制薬が神経変性疾患等の治療薬候補としてNatureに報告されている.選択的な阻害薬ができる可能性は十分ある。