JCIの8月号から。B3のShotaのプレゼン。腎臓の線維化は末期腎不全へと導く。線維化を抑制する薬の開発にはまだ至っていない。筋線維芽細胞の増殖メカニズムの解明が重要であり、著者らは、これまで、GLI1+間葉系幹細胞が筋繊維芽細胞へと分化することにより、繊維化を起こすことを明らかにしてきた。マウス腎臓において、GLI1とGLI2が間葉系幹細胞、筋繊維芽細胞に特異的に発現していることからのその関与が示唆されていた。本研究では、GLI2が腎臓の繊維化に重要であることを示し、GLI1,2拮抗薬であるダリナパルシン(ヒ素系抗がん薬)が繊維化を抑制することを明らかにした。腎疾患患者の腎組織中のGLI2の発現レベルと繊維化状態が明確な正の相関を示すことを明らかにした。したがって、ノックアウトマウスのデータを考慮すると、GLI2阻害薬が腎線維化抑制薬になる可能性が示唆された。多くのデータをまとめ、内容も良く理解し、質疑も的確であった。
投稿情報: 18:23 | 個別ページ
Nature Med. 9月号から。B3のImai君(別名 Peter)のプレゼン。膵がんのうち、膵管細胞がんが95%を占め、現在でも5年生存率は5%以下という。私の父もそうであった。これまで、クロマチンのリモデリングや修飾を制御する遺伝子変異が、がん細胞において高頻度に起こっていることが報告されていた。クロマチン制御因子のひとつであるBETファミリー分子はMYCやサイトカインの発現を促進し、このBET阻害薬JQ1がヒト扁平上皮癌細胞において効果を示すことが知られていたため、本研究では、まず、膵管がんモデルマウスに対するJQ1単独の効果を調べたが、無効であった。そこで、ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬との併用について調べたところ、JQ1とHDAC阻害薬SAHAの併用が最も有効であり、膵管がんモデルマウスの生存率が大幅に上昇したという。その併用効果のターゲット分子は、p57というアポトーシスを担う分子であり、通常はがん細胞においてMycとHDACによって発現が抑制されているが、JQ1とSAHAの併用によりp57発現が増加し、がん細胞のアポトーシスを誘導するという。この併用療法は、膵管がんだけでなく肺がんや他のがんでも有効である可能性が示されている。
投稿情報: 08:20 | 個別ページ
先週の木、金が生体膜シンポの後、土曜日は朝から新幹線で、下関入り。日本薬理学会西南部会に参加した。マリアムが優秀発表賞を受賞。西南部会の懇親会は、いつもアットホームで学会の懇親会とは言えない楽しい雰囲気である。翌日、新幹線で熊本経由、鹿児島まで向かう。鹿児島で日本薬剤師大会後の熊薬同窓会総会に出席するためであった。昼過ぎに着き、ホテルに荷物を預け、錦江湾沿いを10数kmをジョギングした。11月1日以来の運動であった。総会では、最新の情報を含め、熊薬の現況を紹介した。夜は1時過ぎまで2次会での会話を楽しんだ。翌朝6時起き、新幹線で熊本に戻り、熊本空港に移動。羽田空港着いたら直ちに熊大東京リエゾンオフィスにおける薬学部主体のセミナーに参加。杉本、塚本、渡邉教授が講演をした。会場一杯の観客であり、参加者はそれぞれに満足されたように思えた。満席の飛行機で帰途についた。運を運びたければ足を運べ。移動時間は、睡眠時間であり、依頼原稿の執筆時間として重要。
生体膜シンポ in 熊薬
優秀発表賞 in 下関、日本薬理学会西南部会
🏃 in 錦江湾
びっくりポン!!
講演 in 鹿児島
東京オフィスセミナー in 田町
By 渡邉教授
投稿情報: 08:29 | 個別ページ
昨日、今日と生体膜シンポ(大槻先生主催)が熊薬で開催された。様々な話題について活発に議論がなされている。脂質のシンポ、iPSから腎臓をという特別講演など面白い話題が多かった。
投稿情報: 13:05 | 個別ページ
Nature Med. 10月号から。Johnのプレゼン。骨転移を伴う乳がんモデルマウスにおいて、骨に転移したがんが破骨細胞を活性化し(溶骨性の骨転移)、骨を破壊する時にTGF-βが放出される。そのTGF-βが骨格筋に作用し、TGF-β受容体-SMAD3を介して、NOX4の遺伝子発現を上げ、リアノジン受容体のニトロ化を起こし、小胞体からのCa2+ leakにより筋肉収縮力の低下が起こるという。乳がん患者の筋肉でもリアノジン受容体のニトロシル化され、不安定化されているという。この論文では、骨吸収阻害薬、TGF-β抗体、TGF-β受容体I kinase阻害薬、NOX4阻害薬、リアノジン受容体RyR1の安定化薬が有効であることも示されている。
投稿情報: 08:06 | 個別ページ
Cell Metabolism 10月号から。Takada君のプレゼン。不飽和脂肪酸、腸内細菌、ラードを与えたマウス、TLR4を介した炎症を起こす。魚油を与えたマウスの腸内細菌をもつマウスはラードを与えても炎症を起こらない。腸内細菌誘導性WAT炎症は、腸内細菌由来のLPSにより刺激を受けたTLR4によりCCL2(マクロファージの活性化)の発現増加を起こした結果によることを明らかにした。ラード(飽和脂肪酸)食の場合、Bilophila属、魚油(Fish oil)食の場合、Akkermansia属の腸内細菌が主に関わっているという。それぞれの個人が腸内細菌を劇的に改善するような食事にすることが多くの生活習慣病の予防に繋がることは疑う余地はない。昔から病気の予防に有用であるとされてきた、薬膳料理や漢方薬など、口から摂取する植物成分でもあるため、結局は、腸内細菌に影響を与えているというメカニズムが主のように思えてならない。
投稿情報: 08:03 | 個別ページ
アントニオ猪木が引退セレモニーで読み上げた「道」の一節。
「この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる 迷わずいけよ 行けば分かるさ」
「若いうちは安定志向ではなく、リスクを恐れない挑戦を!」 とタイトルに書いたが、何歳になっても挑戦し続けている人は本当に若い。年齢がどうのこうの、高齢化社会がどうのこうの、定年後がどうのこうのでは、人生は面白くなくなる。チャーリー永谷は来年80歳。カントリー音楽を楽しみながら、人生は125年と真剣に思っている。国内外の多くの出会いをまだまだ増やし続けている。本当に素晴らしい。また、この間の熊薬の関西同窓会でお会いした80数歳の大先輩。姿勢良く、体も逞しく、何よりも覇気がある。毎日1500m、泳ぎ続けて20数年という。単に、20数歳で、格好が若くても、心身が老けたらダメ。人生は長く、ずっと楽しむもの。だから、未来のためのこの瞬間を大切にしたい。人生を長くずっと楽しむための準備を継続したい。高齢化社会、縮小社会を悲観する必要はない。高齢者が若ければ良い。社会からお荷物と思われないようにすればよい。定年過ぎて、「もうそろそろ引退を」と口走るようになることこそ、病の始まり。自分で人生を終わらせてどうなる。。私の周りには若い大先輩たちが沢山おり、いつも刺激を受けている。生き続けることこそ、出会いがあり、幸せになる。
現在、進行性の難病で入院中の恩師に会いに行った。もう自分では起きれない。話すのも以前とは異なる。ただ、脳は以前のまま、明晰。死後を意識しつつも次の世代に伝え残したい気持ちは強かった。どういう状況であれ、前向きな姿。長時間の久しぶりの会話。深い感銘を受けた。逆に励まされた。元気をいただいた。
投稿情報: 09:00 | 個別ページ
Cell Reports 9月号から。てらもんのプレゼン。NR2F6という核内オーファン受容体がNFATによる転写活性化を抑制し、IL-2やIFNgの発現を下げ、がんの増殖をコントロールできなくするという。したがって、NR2F6をノックアウトすると、がんの増殖が劇的に抑制されるという。PD-1抗体の流れを受けての論文かもしれないが、がん特異的に制御できるかどうかがポイント。NR2F6を抑制すると自己免疫疾患を誘導する可能性は?著者らは、以前、Th17リンパ球の活性化にもNR2F6が関与しているということを報告している。NR2F6の内因性リガンドは何であろうか?これが分かれば。。。
投稿情報: 08:10 | 個別ページ
Cell9月号から。ユリっぺのプレゼン。肥満時の摂食を制御する食事由来の核酸、ウリジンが、中枢においてUDPとなり、視床下部の摂食中枢の食欲促進神経上のP2Y6受容体を刺激し、摂食を促すという。ウリジンをマウスに投与後、直ちに血液中のウリジンは高まるが、摂食促進作用は4時間後くらいに時間差で現れてくるという。肥満時の摂食を制御するヒントがあるように思う。
投稿情報: 07:37 | 個別ページ
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