Nature Med. 11月号からKameちゃんが紹介。TGF-betaが線維化を起こすサイトカインとして極めて有名。分泌されたTGF−betaは不活性化体であり、接着因子であるインテグリンと相互作用することにより活性化体に変化し、線維化を促進するという。今回は、インテグリンの中でもαVというインテグリンの発現をmyofibroblast(筋線維芽細胞と訳し、線維化の本体)において低下させるか、結合を特異的にブロックするアンタゴニスト(低分子化合物であり、本研究で初めて見いだされた)を投与すると、様々な臓器で起きる線維化が抑制されるという。この論文は、きちっとした内容から構成されており、信頼性は高いと思った。本質的な治療薬が無い線維症 (fibrosis)がコントロールされる時代が来るのだろうか。ヒトにおける臨床試験が楽しみである。
投稿情報: 14:49 | 個別ページ
2013年Cell 12月号から。Omachyのプレゼン。食事制限が寿命延長に重要ということは知られている。ミトコンドリアからの活性酸素がこの現象に関わっていることが言われていたが、相関が低かったという。年齢(Sirt1 iKOも)とともに、ミトコンドリア機能が低下する(ATP量、cytochrome活性、mtDNA量などが現象)。その結果、核内のNAD+が減少する。するとHIF-1αの発現が増加し、低酸素状態と似た状況になり、HIF-1αはc−MycによるTFAM(ミトコンドリアの遺伝子発現を調節する重要な転写因子)の遺伝子発現を抑制するという。この現象が老化によるミトコンドリア障害を説明できるという。そして、面白いことに、この現象は、NAD+を補うことでブロックできるという。いわゆる若返り、老化抑制が可能であるという。老化は可逆的。魅力的な話である。この論文は、かなりしっかりした信頼できる内容であった。ナイスプレゼン。
投稿情報: 07:39 | 個別ページ
1月8日、羽田深夜便でロス経由、モントリオールに向った。着いたのは、1月9日の午前8時。ホテルまでタクシーで向う。チェックインが早過ぎ、extraに宿泊代を払い、部屋でシャワーを浴び、一眠り、気がついたら、夜の7時。それから一緒に行った福田君と食事に。結局、地下街で、ジャンクフードを食べる。早めに部屋に戻り、講演の発表スライドの準備をしながら眠る。外気温は、マイナス10℃以下なのか、寒いというより、顔が痛い感じ。積もっている雪も固い氷。路面凍結のため歩く時は慎重に。
10日の朝、Lukacs教授がホテルのフロントに迎えに、そして、午前9時からマギル大学のDepartment of Physiologyのトップと面談、それから一日で、6名の教授陣と、30分から1時間のdiscussion。この間、午前11時から講演。昼は、Lukacsラボのポスドク達と会食。午後2時から再開したdiscussionは午後5時まで続いた。これらのdiscussionは大変有用であり、こちらがほしかった遺伝子を持っていた方も会話の中で偶然わかり、共同研究で提供頂けることに。また、総説等で昔から知っていた、関連分野での有名教授とも交流が持てた。裏事情などを含め、色々と得るものがあった。時差ぼけもあり、大変疲れたが。
以下の写真は、廊下に張ってあった写真を撮る。
その後、マギル大学のクラブメンバー用の特別なレストランで、Lukacs教授と私と福田君の3名で夕食。カナダのグラント事情、共同研究者達の情報など色々と情報交換。
その後、ホテルに戻り、早めの就寝。11日の土曜日は福田君と地下鉄を乗り、街を散策後、夜は、Jazzレストランで夕食。
次の日には私だけ午前5時半にはホテルを出て、空港に向うため、早めの就寝。モントリオール空港からシカゴ空港を経由して成田に向った。この間、モントリオール空港では、出発が20分遅れ、シカゴのtransitが1時間しかないためヒヤヒヤ。しかし、シカゴ空港は、乗り継ぎが良く、搭乗開始時間である30分前には搭乗口に着く。ただ、完全なる満席で、エコノミープラスに変更できなかったのは辛かった。隣は私と同じサイズの男性。ゆっくり眠ることができないと判断するや、意識を無くすまで、ひたすら映画鑑賞。「おしん」などに涙を流しながら時間を費やす。成田には13日の午後3時に到着。そして、午後5時の福岡行きに乗り継ぐ。午後7時には福岡にと思いきや、乗り込んだ機種にトラブルがあり、狭い機内で1時間、修理対応待ち。シカゴからのダブルパンチ。午後8時半過ぎに福岡に着くや博多駅に向い、構内の海鮮料理屋に入る。悩んだ末に、牡蠣が店に、それが目的で入り、座って、ビールを頼んで、注文したら、売り切れ!トリプルパンチ。何のためにこの店に座ったか。申し訳ないので、ごまサバだけを注文して、ビールを飲んだらすぐに店を出て、博多ラーメン屋に入り直し、9時半過ぎ発の新幹線で熊本に向う。熊本駅に着いたのは10時15分過ぎ。ヘトヘトで家路に着いた。帰りは十分な睡眠を取っていなかったため爆睡。
投稿情報: 18:35 | 個別ページ
韓国で頑張っているジェミーからの年賀の挨拶メールが届きました。了解を得て、紹介しています。
「明けましておめでとうございます。お元気でお過ごしでしょうか。
今年一年が、先生にとって幸多き年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。 さて、私は十月三十日、無事次男を出産いたしました。名前は長男はイェジュン、次男はソジュンです。
写真を添付いたします。」
ジェミーは、修士課程から留学生として研究室に入り、アミロイドーシスの研究を安東先生のグループと共同で行い、そのまま博士課程に進学し、博士号を取得後、韓国の研究所のポストを得て頑張っているところです。以前、このブログで結婚の紹介もしましたが、かわいい2人の息子のお母さんになっていたのですね。おめでとう。ジェミーの家庭ですから、元気一杯の明るい家庭を築いていることでしょうね。
投稿情報: 10:48 | 個別ページ
年末に関君からのお年玉プレゼント。
以前、このブログで紹介した関君のグループの仕事の内容が、日刊工業新聞、神戸新聞そしてYahooニュースにも紹介されました!
Yahooニュースから一部抜粋
ある組織や臓器になるためにいったん分化した細胞から、あらゆる細胞に分化できる胚性幹細胞(ES細胞)を作るには、特定の2種類のタンパク質が必要なことを、関西学院大理工学部(兵庫県三田市)のグループが解明した。ES細胞と同様に「万能細胞」と呼ばれ、神戸市で世界初の臨床研究が進む人工多能性幹細胞(iPS細胞)でも、正常に作るために役立つ成果。英科学誌デベロップメント電子版に発表した。
理研の元研究員でもある関由行・関西学院大理工学部専任講師は「メチル化の異常が原因とされるがんなどの病気に対し、異常な部分のメチル化だけを抑制する治療法の開発も研究していきたい」と話す。
投稿情報: 13:35 | 個別ページ
2014年が始まりました。昨年は、教授になってから13年目。残りの教員生活は12年。ということで、昨年は、折り返しの年でもありました。昨年は、アベノミクスに倣うと、いわゆる「カイノミクス」で、研究室は、教授就任以来初めてとも言える好景気でした。これも今までのスタッフや卒業生たちの努力の成果であると確信しています。「とんび」のドラマではありませんが、本当の指導者たる者、「海」であるべき、すなわち、一緒に頑張る多くの仲間に、もし、沢山の冷たい雪が舞い降りても、それをいくらでも受け止め、溶かしてくれる「海」のような温かな、かつ大きな包容力を持つべきであると。年を重ねれば重ねる程、行動していれば、経験と知識を得るのは当たり前ですが、その「ものさし」で、今から経験と知識をまだまだ積み上げていく若者に、いわゆる「偏った教育」をしないように心がけることが良い研究教育者になる道だと思います。自分の人生の中では実現できなかった研究のゴールに、自分ができなくても教え子が達成してくれることの方が、喜び百倍であり、これこそが、今後も続く永久の歴史において、極めて重要な永続的な研究教育システムではと。
来週は、モントリオールに出張し、講演をしてきます。今年も「カイノミクス」で頑張ります。ブログを見てくれている皆さんのご多幸を祈念します。
投稿情報: 13:27 | 個別ページ
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