Cell 6月号から。Ryokoさんのプレゼン。Johnの座長。これまで、がん細胞において乳酸が免疫監視機構を回避するために機能する免疫抑制分子ではないかということが報告されていた。本論文では、ウイルス感染が行なっていないときは、嫌気性解糖系よりの乳酸がミトコンドリアにあるMAVS (mitochondrial antiviral-signaling)に結合にしているため、RIG-Iとの結合ができず、I型インターフェロンの産生ができないが、ウイルス感染時には、乳酸の産生が抑制されていると、MAVSとRIG-Iが結合し、TBK1-IRF3経路を介して、インターフェロンの産生が促されるということを明らかにしている。この研究により、がん細胞では、有酸素下でもミトコンドリアの酸化的リン酸化よりも、効率の悪い解糖系でATP産生を行い、ピルビン酸をすぐに乳酸へと変換するというWarburg効果の意味が説明できるということである。