Science 2月号から。D1の森内くん。老化に伴って髪が薄くなるメカについて。毛包幹細胞が老化に伴い、表皮角化細胞へと分化しながら表皮に移動し、剥がれていく現象が見いだされた。そのメカニズムは、老化に伴い、DNAダメージも増え、Elane(好中球由来エラスターゼ)という酵素によるコラーゲン17Aの分解が促進されるという。その結果、コラーゲン17Aの減少に伴い毛包幹細胞が遊離し、表皮への移動が促され、発毛がなくなるという。コラーゲン17Aを過剰発現させると老化に伴う脱毛現象を抑制できたという。コラーゲン17Aの変異があると毛が生えないという。好中球由来エラスターゼの阻害薬が有効なのか?血液中に存在するα1アンチトリプシンがElaneを阻害できるため、表皮の血流を増やしてやることでα1アンチトリプシンが皮内を循環する意味があるのかもしれない。炎症が重要ということか。今後の展開が楽しみである。
2016年2 月26日 (金)
2016年2 月22日 (月)
ジョージア大学から。
投稿情報: 15:09 | 個別ページ
2016年2 月21日 (日)
2016年2 月19日 (金)
2016年2 月14日 (日)
p53とアルポート
遺伝性疾患は単一及び複数の遺伝子変異により発生する疾患の総称であり, 多くは小児期より重篤な病態が生じることから治療法の開発が強く求められている. 直接的な根本治療法として原因遺伝子に対する遺伝子治療が長年試みられてきたが,その多くは未だ臨床的な有用性を示すには至っていない. その中で, 近年のiPS細胞の確立により見出された患者由来細胞の遺伝子修復, 組織再発生, そして自家移植という治療過程は遺伝性疾患治療にとって大きな光明となるものの, 技術確立までの期間, 予想される莫大な治療費等の問題が残っている. 遺伝性疾患の多くは進行性であり, 生後まもなくは症状が現れないのに対し, 成長や生育環境への暴露によって次第に病態が出現する. 申請者はこの点に着目し, 原因遺伝子に対するアプローチのみではなく, 病態進行を開始させるステップを解明し, それを標的とすることで遺伝性疾患の病態進行を抑制することを目的とし研究を行ってきた.その結果, 進行性の遺伝性腎疾患であるAlport症候群(Alport Syndrome: AS)において、癌抑制遺伝子として知られるp53が腎病態悪化を食い止める重要な機能を担っていることを発見した.すなわち、p53が腎臓において重要な細胞であるpodocyteの形態維持を担っており, AS病態進行を抑制するキータンパク質であることが明らかになった. また、p53タンパク質発現はAS病態進行時において有意に低下していることも示され, p53の機能回復がASの新規治療戦略になり得ることも示唆された.
本研究成果は、腎臓研究のトップジャーナルである国際誌Journal of American Society Nephrologyの1月号に掲載され、表紙にも採用された。
投稿情報: 11:56 | 個別ページ
2016年2 月12日 (金)
ミャンマー、パティン大学と交流協定と国際シンポ
Japan-Myanmar International Symposium in Kumamoto - 2016 (JMISK-2016)
日本・ミャンマー国際シンポジウム 2016(熊本)
Date : February 12 (Fri.), 2016 (12:00 – 17:20)
Venue : Miyamoto Memorial Hall 1F, School of Pharmacy, Kumamoto University,
5-1 Oe-honmachi, Chuo-ku, Kumamoto 862-0973, Japan
Program
12:00 Reception
12:30 Opening remarks
Hirofumi Kai, PhD
(Dean, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Kumamoto University, Japan)
Session I : Regional Development and Education in Kumamoto University
12:40 Juko Ito, PhD
(Kumamoto University, Japan)
Historic Quarter of British Colonial Period in Pathein and Preservation and Reuse of their Monuments
13:20 Riken Homma, PhD
(Kumamoto University, Japan)
Disaster Preparedness and Resiliency for Cyclone in the Ayeyarwady Delta Region, Myanmar
14:00 Theingi Shwe, PhD
(Yangon Technological University, Myanmar)
Towards Sustainable City Development of Developing Country: In the Case of Pathein through CASBEE-City
14:40-15:00 Coffee Break
Session II: Field Research and Education on Cutting-edge of Agro-medicine in Myanmar
15:00 Nyunt Phay, PhD
(Pathein University, Myanmar)
Introduction to Pathein University
15:40 Than Than Myint, PhD
(Pathein University, Myanmar)
Traditional Uses of Myanmar Medicinal Plants
16:10 Mikiyo Wada, PhD
(Kumamoto University, Japan)
Strategy to Search New Plant Materials as Functional Foods and to Provide their
Comprehensive Information to Health Industry
16:40 Hari Prasad Devkota, PhD
(Kumamoto University, Japan)
Exploration of Myanmar Medicinal Plants for Potent Bioactive Compounds
17:10 Closing remarks
Takashi Watanabe, PhD
(Director, Medicinal Plants Eco-frontier Center, Kumamoto University, Japan)
投稿情報: 11:59 | 個別ページ
2016年2 月 3日 (水)
働くアリと働かないアリはどうやってできる?
Science 1月号から。Kameちゃんのプレゼン。働き者のアリの話。アリはカースト制度を有するような社会性を持った昆虫(ハチの仲間)である。女王アリや兵隊アリなどがあるが、この社会制度は、環境適応や進化のために有利だから作られてきたのではないかという。アリの染色体はオスは1つ、メスは2つであり、遺伝子変異では説明できないことは知られていた。本論文は、エピジェネティックな影響により、アリのタイプが決まるということを明らかにした。個体のサイズにより働き度合いが違い、ヒストンのアセチル化(HDAC阻害薬)でよく働くアリに変わるという。すなわち、働きアリはHAT活性が高く、HDAC活性が低い。Kame説によるとロイヤルジェリーにHDAC活性を抑制する成分が含まれているという報告があり、もしかしたら女王アリが食べるものと働きアリが食べるものが異なり、餌の取り方で、タイプが異なってくるのかもしれないという。うまいものを食べてばかりと働かなくなり、貧食の方がよく働くという風に考えると人間の世界にあてはまるような。。。アリとキリギリスとも関連させても面白い。
投稿情報: 08:12 | 個別ページ
2016年2 月 2日 (火)
新たなタンパク質品質管理機構 小胞体分子シャペロンのN末のアルギニン化
Nature Cell Biol.2015年7月号から。ちょっと古いけど重要。D1 Omachi君のプレゼン。小胞体シャペロン Bipとオートファジーの意外な関係性を明らかにされた。N末のシグナル配列を持つタンパク質。N-end rule 分解速度がN末アミノ酸によって規定される。ミスフォールディングタンパク質と結合しているBipのN末がアルギニン化されていると、それは、p62と結合し、オートファジーで分解される。アルギニン化酵素の欠損はタンパク質の品質管理に影響する。このアルギニン化はcalreticulinやPDIでも起こるという。小胞体ストレスがかかっているとBip発現が亢進し、それが小胞体から細胞質中に放出し、アルギニン化Bipが細胞質のミスフォールディングタンパク質と結合する。そして、オートファジー系にて分解されることが考えられる。プロテアソーム阻害時もR-Bipが増えたり、hsp90を阻害時も増えるという。さらに、dsDNAの遺伝子導入によってもR-Bipが誘導されるという。プラスミドを用いて過剰発現の実験を行なうときは、常に、R-Bipによるオーロファジーの関与も考慮しておく必要があるということか。。
投稿情報: 08:15 | 個別ページ