Nature Med. 3月号から。ナミちゃんのプレゼン。球脊髄性筋萎縮症 (SBMA) は成人発症の下位運動ニューロン疾患であり、X連鎖劣性遺伝性疾患であることから男性のみに発症し、筋力低下や筋萎縮、球麻痺を起こす。原因は、アンドロゲン受容体の第1エクソンのCAG繰り返し配列の異常に起因するポリグルタミン病である。本論文の著者らは、以前に、アンドロゲン受容体のAF2ドメインに結合する分子が病態に重要であり、AF2が創薬ターゲットになること、ショウジョウバエのSBMAモデルを用いて、2つの化合物を見出していた。本研究では、それらの化合物について、マウスを用いて体内動態ならびに有効性を明らかにし、アンドロゲン受容体のAF2ドメインがSBMAの創薬ターゲットになりうることを証明したという。
2018年6 月28日 (木)
2018年6 月21日 (木)
インフルエンザ感染による有益な抗ノイラミニダーゼ抗体産生
Cell 4月号から。ナリのプレゼン。インフルエンザウイルスの自然感染により、抗ノイラミニダーゼ抗体が産生され、その抗ノイラミニダーゼ抗体のモノクローナル抗体を作成し、治療効果を見ると効果的であることが明らかになった。インフルエンザワクチンはウイルスのHAに対する抗体を誘導するが、HAの抗原性は変化しやすいため、流行に合わせた不活化ウイルスに対するワクチンの選択は難しい。本研究は、インフルエンザウイルスに対する新たな対策を提案するとともに、タミフル抵抗性のインフル対応やパンデミックウイルス対策にも活用できる知見を提供している。
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2018年6 月17日 (日)
2018年6 月11日 (月)
2018年6 月 7日 (木)
心筋梗塞が治療できる!?
Cellの3月号から。Rickyのプレゼン。心筋梗塞の損傷部位を復活させることは、根本治療に繋がる。本論文では、心筋細胞をダイレクトに、一度、細胞周期が回る状態に戻して、分裂、増殖を促し、治療する方法をin vitro および in vivoで確立したという。アデノウイルスベクターを用いて、CDK1, CCNB, CDK4, CCNDの四つの細胞周期関連遺伝子を導入する方法 (4F)、あるいは、CDK1, CCNBの導入とTGFΒ阻害薬とWee1阻害薬を処置する方法 (2F)を用いている。心筋梗塞後の心筋壁の厚みや心拍出量を増加させるという。過去に、Cell Stem Cellの論文で、心臓の線維芽細胞に心筋分化誘導因子を導入して、心筋梗塞を治療できるということが慶應大学から発表されていた。考え方は異なるが、ゴールは一緒。臨床的にも有用であることが証明されると朗報であろう。
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2018年6 月 5日 (火)
ソラフェニブによる難治性AMLの治療
Nature Med. 3月号から。Sanちゃんのプレゼン。FLT3遺伝子にITD変異を持つ急性骨髄性白血病では、同種造血幹細胞移植後の再発した場合の1年生存率は20%に満たないという。本研究では、チロシンキナーゼ阻害剤であるソラフェニブがFLT3-ITD+白血病細胞によるIL-15の産生を増加させることを見いだし、T細胞とソラフェニブの相乗効果は、ATF4の発現低下を介して、白血病細胞でのIRF7–IL-15を活性化することを明らかにしている。ゆえに、ソラフェニブは、FLT3-ITD変異陽性AMLの同種造血幹細胞移植後に起こる再発に、同種免疫(GVL効果促進)を介して治療できるという。
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