Immunity 5月号から。Ihorinのプレゼン。
抗原刺激等、様々な刺激に応答して、IP3が産生され、細胞内のカルシウム貯蔵部位である小胞体において、カルシウムイオンが放出されると、小胞体内のカルシウムイオンの減少を感知して、小胞体膜に存在するStim1&2分子が会合し、会合すると形質膜に存在するカルシウムチャネルと相互作用し、カルシウムイオンの流入を促進するという。その結果、カルシニューリンという脱リン酸化酵素が活性化され、制御性B細胞においては、転写因子NFATの活性化を介して抑制性サイトカインIL-10の発現を促すという。
肥満細胞におけるStimの役割はアレルギー反応を増強する分子として、過去に同じ研究グループから報告されていた。今回の論文はStimがIL-10を産生する制御性B細胞の機能においても重要であり、多発性硬化症のモデルマウスにおいて、Stimを欠損させることで悪化することを示した。免疫細胞におけるカルシウム動態の重要性を示した研究である。Stimを制御性B細胞特異的に活性化することは可能かどうか。肥満細胞の活性化を抑制するためにStimを抑制させる薬は副作用として制御性B細胞の機能を抑制するのだろうか。