Cell 12月号から。B3のSanaちゃんのプレゼン。自閉症スペクトラム障害 (Autism Spectrum Disorders: ASD) は自閉症、アスペルガー症候群、レッド障害、小児期崩壊性障害などの様々な神経発達障害の総称である。2014年のNatureで多数の遺伝子変異がASD発症に関わっていることが報告されていた。本論文では、2013年の著者らの報告において、ASDなどの患者において、分岐鎖ケト酸脱水素酵素キナーゼのホモ変異があることを同定した知見を基に、必須アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンなどの分岐鎖アミノ酸 (BCAA) の低下、すなわち、末梢から脳へのBCAAの定常的な供給がなくなった結果が脳の機能異常を起こしているのではと検証した。つまり、BCAAを脳への輸送するトランスポーターとして、血液脳関門に局在するLAT1 (Large neutral amino acid transporter 1) に注目し検討した結果、LAT1ノックアウトマウスの解析からASD発症に密接に関係し、脳室内にBCAAを投与することで、ASD関連の行動異常が改善したという。さらに、LAT1のホモ変異の患者の臨床症状が一致することも明らかにしている。ゆえに、脳内におけるBCAA濃度の維持が極めて重要であることが明確になったことから、今後、LAT1に変異が無くても、母体あるいは乳児期の栄養障害が、ASD発症あるいは症状悪化に関係しているか否かを調べてみても良いかもしれない。
2017年3 月24日 (金)
2017年3 月22日 (水)
NASHが起こるメカ
Cell Metabolism 12月号から。B3のYuukaチャンのプレゼン。かなり美しいストーリーの論文。NASHの起こるメカが解明されたのではと思わせる内容。脂肪肝から繊維化が起こり、そしてさらに増悪していく過程が明確になったと思う。肝組織の構造が脂肪が蓄積することにより、細胞間の相互作用が抑制され、Hippoシグナルが抑制される。そうするとTAZが活性化され、この下流にある遺伝子であるIhhの発現が増加する。分泌されたIhhはクッパー細胞に作用し、繊維化遺伝子が活性化され、組織に繊維化が促進され、さらに、Hippoシグナルが影響を受けていくというNASHの発症および進行を促進する流れが生まれているという。有効性評価のためのバイオマーカーとしては明確になったか。
投稿情報: 08:44 | 個別ページ
2017年3 月21日 (火)
コレラ菌の湾曲形態の意味
Cellの1月号から。B3のRyokoちゃんのプレゼン。コレラ菌の世界的流行は過去7回あり、世界の患者総数は20〜30万人という。コレラ菌は、ビブリオ属グラム陰性菌は湾曲したコンマ型の桿状形をしているが、この湾曲の形態の意味とメカニズムはわかっていなかった。本論文では、この湾曲を引き起こす分子としてCrvAが見いだされた。このCrvAが内側でフィラメントを形成することで、内側膜へのペプチドグリカンの新規挿入が抑制され、外側の膜ではそのようなことは起こらないため、湾曲するという。この湾曲の形態はコレラ菌の運動性を上げ、腸粘膜に定着しやすくなり、増殖していくという。増殖し、菌密度が高くなるとさらにCrvAの発現が上がり、湾曲率が増加するという。それが増悪のメカニズムと言う。これらの現象はCrvAの欠損により抑制されるという。
投稿情報: 07:59 | 個別ページ
2017年3 月17日 (金)
2017年3 月13日 (月)
2017年3 月 5日 (日)
「しゃぼん玉」上映開始
上映の映画館が限られていますが、感動の映画でした。特に椎葉が舞台であり、椎葉弁、エンディングロールで示された、制作協力に関わった懐かしい方々の名前、中心となるロケの家屋が親戚の家であるなど。。
前に本は読みましたが、映画での風景に再び心を奪われました。田舎の良さはここにありです。おばあちゃんの人としての深さに本当に泣けます。自分の祖母を思い出しました。
投稿情報: 08:55 | 個別ページ
2017年3 月 4日 (土)
2017年3 月 3日 (金)
「薬局で教える実践薬学」(日経BP)
熊薬OBである山本雄一郎君が訪ねてきました。彼の著書が3月6日に出版されました。
この本は、実務実習の事前から事後に渡る、「薬局実習用教材」で大変有用だと思いました。
その出版記念講演会を兼ねて、以下の講演会を企画しました。大学外の人も自由に参加できます。
内容:「薬学系キャリア講演会」
演者:山本雄一郎 先生(有限会社アップル薬局 薬剤師)
日時:平成29年3月11日(土) 17:00〜18:00
場所:熊本大学薬学部 宮本記念館コンベンションホール
(熊本市中央区大江本町5-1)
参加費:無料
備考:学部生に対してエコファーマ「講演会」の単位認定を行います.
「山本雄一郎先生の紹介」
山本先生は現代のネット環境をうまく活用され、勤務の傍ら、閉塞感の漂う薬局業界や不要論の止まらないMRに向けて情報提供を通じ、エールを送り続けています。その活動の根底には、薬局業界における「薬剤師の技術の継承」という問題を捉えており、多くの賛同者を得て、その影響力には大きなものがあります。具体的には、個人ブログでの薬歴の記載方法の指南、日経DIオンラインでの学術的なコラム連載、IMSが運営する医師・薬剤師向け副作用検索サイトの監修、MR向け週刊誌での連載などネット媒体を中心に活動しておられます。特に日経DIオンラインのコラム(日経ドラッグインフォメーションOnlineコラム「薬局にソクラテスがやってきた」)は、多くの薬剤師の心を捉え、本年3月に書籍「薬局で使える実践薬学」(発行:日経BP社)として出版されるに至り、また招待講演にも積極的に応じておられます。県外の多くの薬剤師会にて,記念出版講演会が開催される等,薬局薬剤師の革命者としても期待されています。
投稿情報: 20:26 | 個別ページ