Science 6月号から。Johnのプレゼン。アルコール依存症は脳内報酬系(腹側被蓋野を中心に投射される神経ネットワーク)が関与していることが知られている。本論文では、アルコール嗜好性を示すラットを選抜し、扁桃体におけるGAT-3(GABAの輸送に関わる)の発現が減少していたことを見出し、この現象は、アルコール依存症の患者でも認められていた。扁桃体のGABA神経の調節異常がアルコール依存に関わっているらしい。
Cell 7月号から。Mariのプレゼン。抗生物質に抵抗性を示す耐性菌の感染症は世界的な問題として注目されている。この論文では、自然免疫に関わる分子を付与させた細胞をマイクロカプセルに封入させ、感染部位における診断および治療が可能ないわゆるimmunomimetic designer 細胞が有用であることを証明したもの。術後のMRSA対策として極めて有用なものかもしれない。
Science 6月号から。喘息病態の悪化に関わる新たなメカニズムを解明した論文。肺のneuroendocrine細胞(PNECs)がアレルギー性の喘息症状の悪化に関わっていることを示している。PNECsの機能はこれまで解明されていなかったが、PNECsがないマウスを作成したところ、正常時は何も影響がないが、PNECsは、CGRP、GABAの関与により、病態形成に関わっているという。これらの分子をターゲットにした新たな治療薬が開発されうるかどうかについては、他の臓器における副作用が考えられることから慎重にすべきかもしれない。