Cellの6月号から。Misatoちゃんのプレゼン。女性の性周期によって行動が変化することは知られていた。そのメカニズムは中枢(脳)のレベルで受容しているという報告があったが、本論文では、末梢レベルで、女性ホルモン(プロゲステロン)が感覚神経応答を直接的制御することにより行動変化が起こることを明らかにした。マウスにおいては、鋤鼻神経細胞がフェロモンやカイロモン等を認識し、感覚応答がおこるが、発情間期においてはプロゲステロンが、鋤鼻神経細胞を特異的に、かつ可逆的に抑制するという。この抑制にはPGRMC1が関与し、その下流において、PLCβ2のセリン残基のリン酸化が起きていることも明らかにしている。発情期には、その抑制作用が起こらないが、発情間期では、プロゲステロンの作用によりフェロモン応答が無くなり、交配に無関心になるという。面白いことに捕食者逃避に関する感覚応答の分子機構には女性ホルモンの影響を受けないという。納得いく話である。