2015年11 月27日 (金)
腎線維化抑制とGLI2腎線維化抑制とGLI2
JCIの8月号から。B3のShotaのプレゼン。腎臓の線維化は末期腎不全へと導く。線維化を抑制する薬の開発にはまだ至っていない。筋線維芽細胞の増殖メカニズムの解明が重要であり、著者らは、これまで、GLI1+間葉系幹細胞が筋繊維芽細胞へと分化することにより、繊維化を起こすことを明らかにしてきた。マウス腎臓において、GLI1とGLI2が間葉系幹細胞、筋繊維芽細胞に特異的に発現していることからのその関与が示唆されていた。本研究では、GLI2が腎臓の繊維化に重要であることを示し、GLI1,2拮抗薬であるダリナパルシン(ヒ素系抗がん薬)が繊維化を抑制することを明らかにした。腎疾患患者の腎組織中のGLI2の発現レベルと繊維化状態が明確な正の相関を示すことを明らかにした。したがって、ノックアウトマウスのデータを考慮すると、GLI2阻害薬が腎線維化抑制薬になる可能性が示唆された。多くのデータをまとめ、内容も良く理解し、質疑も的確であった。