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2015年6 月17日 (水)

喫煙(ニコチン)による体重減少とインスリン抵抗性(高インスリン血症)

喫煙(ニコチン)による体重減少とインスリン抵抗性(高インスリン血症)

Nature Med. 4月号から。ノーマンのプレゼン。喫煙は体重を減少させる一方、インスリン抵抗性や高インスリン血症を発症しやくしている。本論文は、ニコチンが白色脂肪細胞のニコチン受容体を介して、AMPKα2を選択的に活性化し、MKP-1をリン酸化し、最終的にプロテアソームにより分解される。ニコチンによりMKP-1が減少すると、通常抑えられていたp38MAPKとJNKの活性化され、それが、インスリンシグナルのIRS1のリン酸化を促し、IRS1の分解とPKBの阻害を引き起こすという。その結果、インスリンが引き起こす脂肪分解抑制が認められなくなり、脂肪が減少すると共に血液中遊離脂肪酸が増え、インスリン感受性組織でインスリン抵抗性を生じるという。ヒトのデータもクリアに出ており、この知見は間違いないと思う。ニコチン受容体AChRα7が白色脂肪細胞に存在する生理学的な意義は?AChRα7に対する作用がROSを介してAMPKα2を活性化するということは知られていたが、この受容体がROSを発生させるメカは?

 

いずれにせよ、喫煙はがんだけでなく糖尿病の発症にもつながり、また、ニコチン(ガム)もやせの目的に使用するのはまずいという話。

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