日向市の病院に薬剤部長として勤務する教え子(ルーツも椎葉、高校も同じ。苗字も一緒)が、薬草紹介関連のブログを運営をしているとのこと。今回の退職記念講演会の際に、花に溢れる薬草園を訪問取材し、講演会の内容を含めて、ブログに紹介したいとのこと。嬉しい限りである。私が学部長時代に、日向市を訪れ、日向に「薬草の里」を作るために包括連携協定を締結した。その後、日向市との様々な繋がりがあり、現地の薬剤師会が教え子を中心に継承、発展させている。地域貢献活動としても素晴らしい。
2023年4 月 3日 (月)
2023年3 月22日 (水)
2023年3 月10日 (金)
下田温泉 望洋閣 壁画制作(教育学部美術科 松永ラボ)
この日は、地方創生担当副学長としての任務で、午前中は、山鹿市長と面談し、来年度からの未来創造塾のスタートについて打ち合わせをした。その後、高速を使って、植木ICから松橋ICへ、不知火側を経由して、下田温泉へ。望洋閣における壁画作成プロジェクトが肥後銀行のバックアップもあって実施されている。熊大の教育学部美術科の松永教授とその教え子達が6日間望洋閣に滞在しながらプールの横に大きな壁画を完成させるという地域活性化支援のための仕掛けである。望洋閣には、昨年度も壁画制作を実施させていただき、学生達にとっても思い出に残る素晴らしい体験となり、とても感謝しています。来月に、オープンセレモニーがある(とても楽しみです)。下田まで足を運んでほしい。温泉と美味しい魚介料理など満喫できます。海岸沿いのドライブや散歩もとても気持ちが良い。
私も下塗りを少しだけ手伝いました(邪魔になったかも)。とても素晴らしい学生達が、オリジナルユニフォームに星のような白色の模様を付けながら、来週の火曜日まで頑張っています。このプールの横の壁に広大な絵が完成します。
望洋閣の部屋からの眺め
とても天気が良く、素晴らしい夕日が。松永教授の夕日の描き方のレクチャーを受けながら。芸術家の夕日の見方を学びました。
2023年2 月26日 (日)
フェルメール見学訪問者編
本日の午後、やつしろ未来創造塾生でもあるプロ写真家を見学に招いた。今年のワールドフォトグラフィックカップの日本代表でもある。プロの写真家から、全く異なる視点で、感想をもらえると期待した。私も写真屋の長男でもあるので、共鳴した。
その彼からお礼を頂いた。
「甲斐先生、本日は贅沢にご案内いただき本当にありがとうございました。まさか熊本でフェルメール全作品を見ることができるとは思っておらず、贅沢な至福の時間を過ごさせていただきました!
今日一日の体験は、小生の創作活動に大きな影響をいただいたことは間違いなく言えることです。
小生、アメリカ留学時代に「写真は見るものではなく読み物(Don't look it, just read it!)」だと教えられておりましたが、当時の記憶が蘇ってまいりました。
写真ばかりを見ているとどうしても目に入ってしまうライティングばかりに気を取られておりましたが、今日の訪問で画の中の物語まで深く考察、ご教授いただき興奮冷めやまない状態です。
このような時間をいただき、本当に感謝しております。
フェルメールのキャッチライトと唇のハイライトを消したものを送らせていただきます。
やはり印象、力強さが全然違ってきます!」
話の流れから、3個の光の白いドット(キャッチライトと唇のハイライト)の有無でどのくらいイメージが違うのかを加工して送ってもらった。その違いは、明確ですね!また、私はこれまで気づいていなかった、真珠の耳飾りからの光の反射が頬にほのかに描かれていたこと。さすがカメラマンの視点と思いました。
ヨハネス・フェルメール
フェルメールは、同じオランダのレンブラント、イタリアのカラヴァッジョ、フランドルのルーベンス、スペインのベラスケスなどとともに、バロック絵画を代表する画家の1人である。また、レンブラントやハルスと並ぶ17世紀オランダ黄金時代の代表画家である。生涯のほとんどを故郷デルフトで過ごした。最も初期の作品の一つ『マリアとマルタの家のキリスト』(1654年-55年頃)に見られるように、彼は初め物語画家として出発したが、やがて1656年の年記のある『取り持ち女』の頃から風俗画家へと転向していく。現存する作品点数は、研究者によって異同はあるものの、32から37点と少ない。このほか記録にのみ残っている作品が少なくとも10点はある (ウィキペディアより)。
素人向けの私なりのフェルメールの絵画の鑑賞法:
1)画中画 (絵の中に絵や地図などを描き、その場面や雰囲気を暗に描写)
2)光の魔術師 (光の描写が見事。白いドット(点描写)をうまく使う)
3)絵の左上からの淡い日差しが優しい雰囲気を表現
4)楽器の存在(楽器は恋愛を表すとも言う)
5)ワインの存在(ワイングラスやボトルが描かれているのは、深い男女関係を表すとも言う)
6)鮮やかな青(フェルメールブルーとも呼ばれる。天然ではアフガンスタンの鉱石ラピスラズリに含まれるウルトラマリンという顔料に由来する高価な絵具。義母が裕福なおかげで使用できたとか)
7)日常生活を描出し、手前にカーテンを描いたり、隣の部屋から見ているように描くことで、日常生活を覗き見ているような感覚に。(儲けるために教会や王室、貴族のために絵を描く必要はなかったため日常を好きなように描いた)
8)一生に描いた絵の数は少ない(全37作品とも言われるが、この中には、本人が描いていないという作品もある可能性も)
9)15秒間の動きを描出(動いた瞬間を描いているように見える絵も)
10)黒目に白の点を乗せたことで、目が生きて、どこから絵を観てもこちらを見ているように見える。
11)当時の科学的な技法を取り入れている(描画の参考とするためカメラ・オブスクラを用いていたという説がある。また、カメラの絞りを絞ると1点に焦点が合い、周りがボケるような描写も)
12)遠近法の活用も絶妙
などなどを意識して鑑賞するだけでも楽しくなる。
2023年2 月25日 (土)
アート&サイエンス フェルメール編 序章
36年間の教員生活の中で、学会などで訪問した国々は30数カ国。空いた時間で、現地の大学キャンパス、図書館、そして、美術館を観てきた。私が言うアートは、広い意味である。いわゆるリベラルアーツ。芸術、音楽、哲学など。アートとサイエンスに共通する大切なこと。それは、感性。わかりやすく言えば、1+1=2ではなく、2.1や3ということもありうるという発想の柔軟性を生み出す感覚のようなもの。モノマネでは、成り立たないアートとサイエンス。海外の有名な大学のキャンパスに多くの彫刻があり、図書館はまるで美術館。その中でたたずんだり、読書したりしている学生達。彼らは、そのような環境から無意識に得ているものがある。それが感性。答えがわかっている問いに対して、いかに早く、正確に答えるのではない。とんでもない自由な発想をし、ゼロからイチを生み出すセンス。それが、どんな環境でもサバイバルできるために必要な力である。そんなアートとサイエンスに溢れるキャンパスを作りたいと長年、思い続けていた。事あるごとに、舘さんの絵画、元学部長でもあった加瀬先生の絵画などをキャンパスの至る所に展示してきたが、一気に加速したのが、フェルメール・リクリエイト全37作品(額縁は可及的に本物と同じ作品)の寄贈であった。あつまるHDの前社長の故 島田様からの寄贈であった。2019年12月にご家族と一緒に会食をし、その際に、アートとサイエンスに溢れるキャンパスをという、私のビジョンを熱く語っていたら、ぜひ協力したいという思いがけない、大変有り難い申し出があった。早速、翌週には、会社を訪ね、実物を見せていただいた(熊本地震以降、社内に展示する事なく、倉庫に眠ったままだった)。子供達にも本物(フェルメールが描いた直後の絵を科学的に再現)を観せて欲しい。ゆえに、飾る場所を1箇所にし、分散させないように展示することが寄贈の条件であった。幸いにも、その数ヶ月後に新設されることになっていた共同研究棟の1、2階の壁に飾ることをお約束した。そして、それが実現した。実験室から出てきたら、会議が終わったら、そして、講義中に、目の前に、フェルメール絵画という。。それ以来、多くの訪問者をお迎えした。私もフェルメールの解説本を4冊購入し、展示前に説明ができるように熟読した。さらに、美術館長や芸術家達の訪問の際に同伴し、彼らの作品に対する解説を聞く貴重な機会があった。
以上のような背景があった上で、芸術家でもない私なりのフェルメール解説を、本ブログにおいて、時々紹介していきたい。島田社長は、寄贈していただいた一年後に、大変悲しいことに、不幸な事故で亡くなられた。島田社長のフェルメール愛を次世代にしっかりと繋いでいくことが私の使命でもある。
2023年2 月14日 (火)
36年間の教員生活を終え、新たなステージに向かって
定年退職まで、残り3年。しかし、この3月末をもって早期退職を決意した。退職に際し、これまでの出会い、経験や想いを、このブログに、日々、綴り、お世話になった方々への感謝の意を表していきたい。私の教員生活36年間、多くの素晴らしい学生達の頑張りにより、多くの研究成果が生まれた。それを支え、励まして頂いた、多くの皆様に心より感謝。お陰様で、多くの教え子達が社会で大きな貢献をしている。何より、本研究室から、60名近くの博士を輩出できたことが誇りである。
早期退職の主な動機は、①36年間の教員生活を悔い無くやりきれたこと、②これまで学長特別補佐、学部長、副学長等として、大学への納得いく貢献ができたこと、③研究室も次世代へのバトンタッチができる時期に来たこと、そして、④自らを限界までさらに成長させるための新たなステージにチャレンジしたいと強く思えるようになってきたこと、である。
これからの新たな人生は、①研究の成果である、いくつかの医薬品候補薬を、苦しむ患者の下に確実に届けるために、リスクを恐れずにチャレンジしていく。②ライフワークとして、異次元の現代数学(圏論、コホモロジーなど)を駆使しながら、現代の科学では、見えない世界を数学で見える化しつつ、生命の本質に迫っていく。そして、③いくつかの公的な団体の役回り(理事長や理事)による社会貢献の責務も果たす。
強い好奇心とワクワク感でもって、新たな旅立ちをします。
そして。言わずもがなですが、「くまもとの父」として、教え子達の人生や幸せを、いつまでも応援し続けます。
2020年9 月11日 (金)
2020年8 月17日 (月)
2020年8 月 6日 (木)
新たな気持ちで
ブログの更新をする気持ちの余裕も無く、組織のため、他者への貢献のため、ひたすら前進を続けていた。もう一度、原点に立ち返りたい。
まずは、尊兄の亡き舘さんから受け継いだ格言の数々から。これらの格言は、私の多くの教え子達にも引き継がれている。舘画伯の作品は、旧帝大の薬学部教授会会議室あるいは学部長室に飾られているという。熊本大学薬学部は特別扱いで、9作品が寄贈されている。正面玄関、学部長室、多目的ホール前や講義室内などに。キャンパス内には、その他にも多くの画家の作品や彫刻がある。フェルメールのリクリエイト全37作品もある。私が理想としてきたキャンパスに近づいた。「アートとサイエンスがあふれるキャンパス」。この思考は、舘さんが授けてくれた。天国にいる舘さんに心より感謝。
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- 独創力とは、淡い模倣の強烈な自己展開をいう。
- 人生は、怠惰な自己との闘いである。でも、心や体のストレスを解き放つ武器を持て。
- 長生きでなく、中味の濃さに人生の意義がある。
- 知らなくてもよいことを知りすぎ、知るべきことを知らなすぎる。
- 自分の尺度を捨てると他人の尺度が分かる。他人の尺度を知って自分の尺度を作り直すと、堅実な尺度ができる。
- 人がすることは嫌われない程度に行い、しないことを徹底的に行えば個性が育つ。
- 失敗はコインの裏側で、成功はその表側だから、何度も投げてみよ。
- 俺がやらぬと誰がやる。今やらぬといつやれるの気概を持て。
- 上役が悪いから問題が起こる。但し、それを解消させるのは、下役の工夫と努力だ。
- 話の長さから、ボケの進行度合が測定できる。
- 運を運びたければ、足を運べ。
- 人の心は、言葉と態度と行動によって測定できる。
- 遊びが下手で味に鈍感なら、目標とする成果も期待できない。
- ケチで、楽ばかりしたがる友は避けろ。その社会的評価は最低だから。
- 言葉は心の響きです。
- 早めに成功の体験を味わえ。それが、次の挑戦への追い風になる。
- 涙とともに堅パンを食べたことがなければ、人生の味は分からない。
- 私が無駄にした今日という日は、昨日なくなった人が、必死で生きたいと願った一日です。
- 頭の良さよりも、人柄の良さ。
- 苦境や不満の中にこそ、夢が生まれる。
- コインを投げて裏が出ても何度でも投げてみよ、いつか必ず表が出る。
- 「~したのに。」というから、愚痴が出る。
- 自分のことより、まず相手のことを大切に思うと、信頼が生まれ本当の愛が生まれる。
- 頭の引き出しを増やすには,多くの読書と多くの経験。心の引き出しを増やすには、多くの親友と多くの失敗。
- 言い訳は、自分は守るが、相手の心を手放す。
- 逃げるのは簡単。でも、一歩だけ前に進むのも簡単。
- 人は死ぬために生まれ、死を背負って生きて行く
- 努力すればできるように生んである
- 想像力は知識の先にある
- 子供の想像力は大人の倍以上である
- 争って得るものは何もない
- ゼロからのスタートは失うものがない
- 成功は問い続けるから生まれる
- 何を考えるかを考えろ
- 心を開いても魂は売らない
- 怠惰とは、疲れる前に休む癖と同じ(ジュール・ルナール)
- 幸運の女神は準備していない人を決して助けない
- 疑問はあらゆる知恵の鍵穴
- 真っ直ぐな道を歩く人は決して疲れない
- 疲労は最大の枕である
- 満足は最大の富だ
- 穴を一つしか知らないねずみはすぐ捕まる
- 天才とは、1%のひらめきと99%の汗である(トーマス・A・エジソン)
- 勉強することは自分の無知を徐々に発見して行くこと(ウイル・ディラント)
- 歴史を学ぶと、我々は歴史から何も学んでいないことが分かる
- 考えることは、もう一人の自分と話をすること
- 失敗は解決策も連れて来る