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2015年7 月16日 (木)

慢性腎臓病に新たな薬か

慢性腎臓病に新たな薬か

Nature Med. 6月号から。テら門のプレゼン。腎機能の低下により、タンパク尿から誘導される腎障害をお越し、さらに増えるタンパク尿が腎障害を雪崩的に悪化させる。糸球体上皮細胞(ポドサイト)の障害および機能障害はタンパク尿を導く。ポドサイトにおける細胞骨格タンパク質は重要であることは知られていた。本論文では、アクチンの重合や架橋の制御を行なうことでポドサイトを正常化し、CKDを改善できるのではという仮説のもとに、アクチンの制御に関わるダイナミン(GTPase)の役割を調べた。Bis-T-23(ダイナミンのアクチン依存性のオリゴマー形成とそれに伴うアクチン重合を促す化合物であり、ポドサイトのアクチン重合の促進によりFocal adhesion, stress fiberを増加させる)を様々な腎病態モデルに投与すると劇的に改善するという。腎疾患におけるポドサイトの足突起の構造異常を回復させていることから、損傷を受けた糸球体がかなりの再性能を持つことがわかり、かつ、ダイナミンのオリゴマー形成サイクルがCKD治療の有望な治療標的候補であることが示されていることが、この研究成果のポイントである。

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