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2013年4 月18日 (木)

メラノーマの抗ガン薬耐性および予後を規定する因子の同定

メラノーマの抗ガン薬耐性および予後を規定する因子の同定

今朝の朝ゼミは、J.Exp.Med. 2013, 2月号から、悪性の皮膚がんであるメラノーマの抗がん剤耐性に関わる分子が見いだされたという論文をMotomura君が紹介。その分子はp63であり、メラノーマの予後不良を予測する因子としても有用であることがわかった。メラノーマはガン抑制遺伝子p53の遺伝子変異があまり起こっていないということは知られていた。この論文では、メラノーマにおいて、p53ファミリーの中でもp63の発現が異常に高いことを見いだし、その機能などについて種々検討した。メラノーマ細胞において、DNA障害によるp53の転写活性化をp63(スライスバリアントによる)が抑制することがそのメカニズムであるという。現在、メラノーマ治療薬として、BRAF阻害薬(ベムラフェニブ)、ダカルバジン、シスプラチンなどが使用されているが、薬剤耐性が問題となっているという。p63をコントロールできれば、この問題が解決できるかもしれない。また、予後不良を予測するには大変良いバイオマーカーになりうるが、p63が高いことがわかったからといって抗ガン薬治療をやめるだろうか。100%近く、そうであると言えない限り、抗ガン薬治療を継続するだろう。メラノーマは温熱療法(p53機能の活性化)が適用しやすいことも考慮しても良いと思う。Motomu-成長して来ている。自信持って、頑張れー。

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