2013年4 月17日 (水)
イワシはインフル予防対策!?イワシはインフル予防対策!?
日本のグループがタイムリーな快挙。新聞にも紹介された話題。今朝の論文はCellの3月号をNormanが紹介。インフルエンザウイルス複製に対する抑制作用を指標に、脂質ライブラリーを用いてスクリーニングをやったところ、12/15-LOXの下流の脂肪酸ならびにDHAの代謝産物であるProtectin D1が強い活性を示すことを発見した。ウイルスが感染してしまうと12/15-LOXの発現が低下しているので、Protectin D1直接投与は効くが、DHA投与しても効き目が悪いことになる可能性があるという。Protectin D1は予防的に投与しても有効であるだけでなく、治療的にはノイラミニダーゼ阻害薬との併用により顕著な効果を示すという。Protectin D1の受容体が何であるのかを明らかにすることは創薬の観点から重要である。Protectin D1がウイルス由来のRNA選択的に核からのexportを阻害するというメカニズムも面白い。DHAを摂取時に体内でどの程度、Protectin D1が産生されているだろうか?もし有効量存在しているのであれば、日々、DHAを摂取、あるいはイワシなどを毎朝、食べているとインフルエンザ感染予防あるいは重篤度抑制に、あるいは、タミフルの効果を高める作用が期待できることが考えられる。中国で問題になっている鳥インフルエンザ感染の患者間の重篤度と食事との関係を調べたらどうだろうか。酒のつまみは意識的にイワシを食べようかな。マウスに1μg/mouseを静脈内投与、100ng/mouseを気管内投与しているが、その用量設定の根拠は?食事由来では予防は無理なのだろうか。期待したい。ノーマン、良い感じに成長している。まだまだ伸びる。