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2013年4 月16日 (火)

抗ガン薬の効果をさらに高めるために Part 2

抗ガン薬の効果をさらに高めるために Part 2

抗ガン薬の開発がなされ、ある種のガンには有効であることがわかってきた。しかし、その効果としては十分とは言えない場合が多かった。その理由は、ガン細胞の根源であるガン幹細胞は増殖期にないため、抗ガン薬は効かないからということが主因だという。今朝の朝ゼミの論文は、創薬•生命薬科学科の4年のOkita君の紹介で、Fbxw7というE3リガーゼを欠損すると、白血病幹細胞は静止期から増殖期へ移行し、抗ガン薬によって除去できるという「静止期追い出し療法」を提案している。 実験では、Fbxw7のホモ欠損でのイマチニブの効果が認められている。ヘテロのデータが欲しいと思ったが、Fbxw7のsiRNAで80%発現低下させてもイマチニブの抗ガン効果がそれなりに認められていることから、Fbxw7の阻害薬の開発は有望であるかもしれない。開発においては、イマチニブとこの阻害薬の体内動態が一致する、あるいは、有用なコンビネーション効果を探すことが必要であるかもしれない。3回目のゼミ発表であるが、大変わかりやすい発表ができていた。力を付けて来ている。次のステップは如何に短い準備期間で、このレベルのセミナーができるようになるかである。
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