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2012年6 月12日 (火)

ガンの悪性化と破骨細胞融合に関わる因子

ガンの悪性化と破骨細胞融合に関わる因子

JCBの5月号からOkaちゃん。上皮ー間葉転換(EMT)という現象はガンの悪化プロセスとして知られている。ゆえに、このEMTに関する研究は盛んに行われている。ガンの骨転移部位においてガン細胞と破骨細胞の融合細胞が認められていた。今回の論文はこの融合細胞の形成のみならず破骨細胞融合において関わる分子、Srcの基質であるアダプター分子Tks5、を見いだしている。この分子の発現を抑制すると、破骨細胞への分化は正常に機能するものの、ポドソーム(破骨細胞の成熟に必要)の形成、破骨細胞同士の融合、ガン細胞と破骨細胞の融合に必要なインベードポディア(浸潤突起)が抑制されたという。破骨細胞の融合の過程は、細胞膜融合面における局所的なPI3Kの活性化ーTks5を含む機能分子群の集積とSrcによるTks5のリン酸化ーポドソーム形成ー細胞融合であることが示唆されている。細胞の基本的な機能制御とガンの悪性化は密接に関わっていることがガン治療薬開発が困難であることの主因でもある。それでも研究者はロマンを求めて、前進していく。本研究の主任研究者は若手研究者である。現在の医療体制ではまだまだ不十分である故に、まだまだ苦しむ患者がたくさんいるが、次世代の研究者達がこのような研究を続けていくことで、苦しむ患者を救う。Srcの特異的阻害薬AZD0530がタモキシフェン耐性乳癌のタモキシフェン感受性を戻すことが臨床的に示されていることが報告されている。現在PhaseI ?!

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