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2011年7 月 5日 (火)

C型肝炎予防•治療へ向けた新たな光!?

C型肝炎予防•治療へ向けた新たな光!?

Nature Medicine 5月号, 2011年。薬学科4年のTaniguchi君。

C型肝炎の抗ウイルス療法のターゲットとして、EGFRとEphA2が提起された。これらの両分子は、C型肝炎ウイルスの細胞への侵入および細胞間伝搬を促進的に働いていることがわかった。ゆえに、臨床で抗がん薬として使用されているエルロチニブとダサチニブが有用ではないかという。本論文では、マウスを用いてエルロチニブ50mg/kgを20日間投与している間は増殖を抑えているが、やめると数日でリバウンドするという。投与量の問題と投与し続けた場合どうなるかを解決すべきか。

日本国内のHCV感染者約200万人、世界には1億7000万人。C型肝炎を予防するワクチンは無く、インターフェロンとリバビリンの抗ウイルス療法があるが、日米欧に最も多い患者が有するHCVの遺伝型Ibには無効という。エルロチニブの肝ガンに対する臨床試験は世界中で行われている。一方で、副作用には、間質性肺炎に加え、肝障害もある。プロテアーゼ阻害薬でテラブレビルがHCVの増殖に必要なNS3-4Aプロテアーゼを阻害すること、さらに、今まで無効であった遺伝型に対して有効である、ボセブレビルというプロテアーゼ阻害薬も出てきている。この領域の研究はもっと進展すべきだろう。

 

 

 

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