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2019年5 月15日 (水)

コレステロール代謝と肝がん

コレステロール代謝と肝がん

Cell 1月号から。Namiちゃんのプレゼン。ハルキャンが座長。がん抑制遺伝子であるp53の多彩な機能はよく知られている。今回の論文は、メバロン酸経路がp53依存性の肝がんにおいて重要であることを示した論文。アトロバスタチンなどのHMG-CoA阻害薬が、ガン抑制作用があるという報告や逆に効かないという報告もある。今回は、p53が主たる原因である肝臓ガンにおいては、有効であることを分子メカニズム(コレステロールの取り込みに関わるトランスポーターABCA1の発現調節)もクリアに証明しているが、生存率の延長のようなデータは無かった。引用論文としてあるのかどうか確かめていないが、臨床的に効く場合もあるという程度の理解で良いのかもしれない。2014年に発表された化学物質誘導のガンモデルマウスではアトロバスタチンは効かなかったという。p53以外の分子も関わるようなガン病態では、HMG-CoA阻害薬の効果も見られていないのかも知れない。基礎研究レベルでは大変興味ふかい、インパクトがある研究成果であったとしても、臨床に還元できるような知見ではあるかどうかの目利きは、創薬研究者だけでなく、薬剤師の能力として必要である。薬剤師教育における、広い意味での研究能力の醸成は疑いも無く重要である。資格を取るための机上の勉強だけでなく、卒業研究において研究を実際に経験しながら、研究で得られる成果の限界を知り、その課題をどう解決するのかを学んだ上で、医療の現場で、真実に近い医療情報を見極めることができる薬剤師こそ必要される。何度も言われているわかりきった話ではあるが。。

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