2017年7 月 3日 (月)
妊娠時のストレスと子供の過食症との関連とその治療妊娠時のストレスと子供の過食症との関連とその治療
Cell Meta. 6月号から。M1のMisakiちゃんのぷれぜん。過食症は異常な摂食障害を言う。難病の精神疾患と言われ、若年期のストレスや出産前後のストレスが原因と考えられていた。本論文には、妊娠中のストレスによる過食傷害モデル(CRF-PNSモデルマウス)を用いて、その発症メカニズムを検討している。離乳後の食事を過食時期とそうではない時期を調節することで、過食モデルを作成でき、その際、DNAメチル化が発症メカニズムに関与していることが明らかにしている。メチルドナー食(葉酸、メチオニン、コリン等)を妊娠中の母親に与えると子供のDNAメチル化やDNAメチルトランスフェラーゼ量に影響することが知られていたため、メチルドナー食の効果を調べたところ、妊娠中のストレスが原因による子供の過食症発症においては、バランスの取れたメチルドナー食が過食症の治療に有用であるということを明らかにした。この論文の研究成果が、ヒトに当てはまるかどうかについては不明である。マウスに通常与えている餌が高メチルドナー食になっているということもあり、ヒトの食事とどのように異なるかは分からない。マウスだけの話かもしれない。しかし、妊娠時の母親へのストレスが良く無いことは事実であろう。母親は大丈夫でも、生まれてくる子供が思春期になったときの食事等の環境因子の影響を受けやすくなっているかもしれない。もし、過食症時の食事内容を考慮するだけで改善するのであれば、それにこしたことはない。