2017年6 月29日 (木)
脳梗塞後の炎症抑制脳梗塞後の炎症抑制
Nature Med. 6月号から。Shota君のプレゼン。脳梗塞後に炎症が悪化するメカニズムとして、虚血壊死した脳組織からDAMPsが放出され、マクロファージを活性化するということが示唆されていた。脳梗塞後3日目にはDAMPsが除去され、その除去メカニズムは不明であった。本論文では、脳梗塞後、Mafbという転写因子が発現してくるとMSR1hiマクロファージが増加し、このマクロファージがDAMPs取り込み、炎症性サイトカイン抑制、神経栄養因子の産生を行なうという。白血病治療薬として使用されるAm80(静注)がMafbおよびMsr1の発現を誘導し、脳梗塞の病態を改善している。
この論文は慶応大学の吉村ラボの研究成果である。この研究の解説ならびに経緯について紹介されているサイトを見つけた。マウスの入手がポイントであったようである。良い成果が公表されるまでは年月がかかるものである。