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2016年7 月 4日 (月)

低酸素刺激がミトコンドリア病に有効

低酸素刺激がミトコンドリア病に有効

Science 4月号から。丸ちゃんプレゼン。ミトコンドリア病の治療に低酸素療法が有効であることを示した論文。通常の酸素濃度環境であると、プロリルヒドロキシラーゼ (PHD)が高く、HIF-1αが水酸化され、ポリユビキチン化され、プロテアソーム分解される。したがって、ミトコンドリア病の生存期間が短縮し、成長不良、神経変性を受ける。低酸素環境であると、PHD活性が低下して、HIF-1αの安定化し、ミトコンドリア病が改善するという。この酸素濃度は、3500m以上の高度に相当するため、高山病になり、住む土地を高山にすれば良いという話ではないという。この発見に至ったストラテジーが面白いため、読む価値はある論文。Leigh syndromeモデルマウスの症状は慢性的な低酸素状態で改善し、過酸素は病態を悪化させるという知見もある。1日どのくらいの時間低酸素環境におけば良いのかなど、臨床的な応用については今後が楽しみである。薬物療法は組織分布が全身にならないため、このような物理療法の方が良いというとのこと。

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