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2015年11 月10日 (火)

ALK阻害の抗がん薬の耐性化にMEK阻害薬併用が著効

ALK阻害の抗がん薬の耐性化にMEK阻害薬併用が著効

Nature Med.9月号から。丸ちゃんのプレゼン。EML4-ALK陽性肺腺がんを日本人が発見し、ALK阻害薬を外資系製薬会社が開発。劇的にがんを縮小させたが、患者の40%で耐性が出現。そこで、ALK阻害薬に対する耐性獲得のメカニズムを解明したのが今回の論文。EML4-ALK陽性肺腺がんはRAS-MAPK経路の活性化が起こっていること、この経路を抑制するDUSP6(MAPK phosphatase)の発現が抑制されていることがALK阻害薬の耐性獲得に関与していること、そして、ALK阻害薬とMEK阻害薬の併用が劇的にがんを抑制することを明らかにされた。使われたMEK阻害薬も京都府立医科大学の研究者が細胞評価系を確立し、そのスクリーニングを国内製薬会社に提案して回り、断られたが、JTだけが2度目で受け入れ、スクリーニングを行なってくれ、MEK阻害薬を開発できた。しかし、国内製薬企業でなく、GSKに導出し、2013年にFDAで特定のメラノーマに対して認可されたという経緯がある。今回用いている抗がん薬がもともとは日本から発信されたものであったというところが何とも言えない。。。DUSP6は本730ブログの2012年11月21日でも紹介している。

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