2015年5 月20日 (水)
心筋細胞の修復に必要な分子心筋細胞の修復に必要な分子
Nature Med.から。マリの英語でのプレゼン。虚血心臓において、心筋細胞が修復する過程において、Reg3β依存的なマクロファージ蓄積が必要という論文。心筋梗塞等の初期に、オンコスタチンMというIL-6ファミリー分子が単球、マクロファージや好中球などで産生されることは知られていた。このオンコスタチンMが心筋細胞の脱分化の重要なメディエーターであり、心筋保護作用があるという。今回の論文では、このオンコスタチンMの下流にReg3βがあり、心筋細胞から産生されたReg3βが産生され、Reg3βがオンコスタチンMを産生するマクロファージをさらに心筋細胞に呼び寄せ、さらに、修復を促進するというポジティブフィードバックループを形成していることが明らかになった。Reg3βのノックアウトマウスでは、心筋のダメージ時のマクロファージの集積を顕著に抑制し、その際、好中球の除去が不十分になるなど、障害が顕著になるという。