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2015年5 月21日 (木)

気道において、細胞外で成熟するウイルスの感染能を抑制するPAI-1

気道において、細胞外で成熟するウイルスの感染能を抑制するPAI-1

Cellの2月号から。ユリっぺの紹介。ウイルスが細胞内で成熟し、感染能をもつものと、細胞外でヘマグルチニンの開裂により成熟し、感染能をもつようになるものがある。今回は細胞外で成熟するメカニズムを明らかにし、その成熟過程に、細胞外気道プロテアーゼであるTMPRSS2、HAT、tryptaseなどが関与しているが,これらを抑制する感染細胞由来のPAI-1 (plasminogen activator inhibitor 1、uPA/tPAを阻害する血栓溶解システムの制御分子としては有名。抗ウイルス作用は知られていなかった)が極めて重要な役割を果たしていることが明らかになった。この現象は、インフルエンザAウイルスのような細胞外で成熟するウイルスに共通であることも示されている。これまで、プラスミンもヘマグルチニン開裂に関与し、ウイルスの感染能の上昇に関与していることは知られていたが、今回の論文は気道におけるウイルス感染において、気道プロテアーゼの抑制にもPAI-1が重要であることが証明されたことがポイントか。tPAの投与時はウイルス感染が増悪しやすいのか?PAI-1のヘテロノックアウトでも明確に変化があるので重要であるのは間違いないだろう。非特異的なプロテアーゼ阻害薬が良いという解釈もできる。

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