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2015年5 月19日 (火)

ドパミンアゴニストが全身の炎症を抑制できる!?

ドパミンアゴニストが全身の炎症を抑制できる!?

よしお君のプレゼン。Cellの1月号から。NLRP3 inflammasomeは種々の病態の発症に大きく関与している。この論文では、代表的な神経伝達物質であるドパミンがドパミン受容体D1を介してNLRP3 inflammasomeを抑制したことを明らかにした。その下流のメカニズムとして、Gsを介して細胞内で増加したcAMPが直接NLRP3 inflammasomeの活性化をオートファジーの誘導により抑制することを明らかにしている。cAMPが増加することにより、NLRP3とMARCH7(E3リガーゼ)の結合が促進された結果という。ドパミンが脳内炎症を含む全身の炎症の抑制に関わるという。これまで、ドパミン受容体がほとんどの免疫細胞において発現していることは知られていた。パーキンソン病においてドパミンニューロンの変性があるが、このドパミン不足は黒質線条体部における脳内炎症を増強していることも考えられる。このドパミンの作用が見られた時のドパミンの投与量が多いように思う。この論文は一貫してマウスあるいはマウス由来の細胞を使っている。種差があるのではないだろうか。修士の頃に、マブテロールというβ2アゴニストの薬理作用を亜硫酸ガス暴露の気道炎症モデルで調べていた時に、抗炎症作用のような現象が認められていた。当時は、β2アゴニストに抗炎症作用がある訳ないという意見だったが、今回の論文のメカニズムが関係していたかもしれない。種差の観点での知見がほしい。。

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