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2014年11 月13日 (木)

老化に伴う筋萎縮に対する創薬戦略

老化に伴う筋萎縮に対する創薬戦略

Nature Med. 10月号から。Okitaの10回目のプレゼン。老化に伴い、筋衛星細胞(成長時、骨格筋損傷時における骨格筋の増大、再生に重要な役割を担う、骨格筋の基となる細胞)の数が減少し、筋再生能が低下することは知られていた。このメカニズムを明らかにすることが、高齢者のQOLの向上や筋萎縮性疾患の改善に繋がる。本論文では、マウスの年齢の増加に伴い、筋衛星細胞において、JAK-STATシグナルの過剰な活性化が認められ、JAK-STAT阻害薬の投与により、筋繊維の直径が増大したり、筋衛星細胞数の増加があったという。JAK-STATの活性化は慢性炎症により起こることから、老化に伴う慢性炎症を抑制する手段があれば、筋力低下も抑制できるのかもしれない。高齢者の適度な運動療法がQOL向上に有用であるメカニズムかもしれない。JAK-STATを完全に阻害すると筋分化は抑制されるため、適度な阻害が重要ということは同じ号の本雑誌のLETTERSに掲載されているという。本研究室で研究している医療機器の応用という観点から大変興味深い。また、抗がん薬として期待されるJAK-STAT阻害薬を投与されている患者においてこの作用が認められているかどうかが気になるが、年齢に伴う筋萎縮を臨床的に評価する(画像評価はできるが)ことは、様々な影響により個人差が大きく難しいかもしれない。筋ジストロフィーのモデルマウスでも有用という知見があるので、そういった方向からの開発は期待できるだろう。

 

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