2013年11 月18日 (月)
がん抑制分子RASAL2がん抑制分子RASAL2
Cancer Cell 9月号からOkita君の紹介。Rasタンパク質は低分子GTP結合タンパク質であり、Ras pathwayの過剰活性化がガンにおいておこっている。大腸がん(35%)、膵臓がん(62%)でRasに変異(活性型)が認められていることはしられていたが、乳がんではRasに変異がないのに、50%以上の乳がんでRas pathwayの過剰活性化があるメカニズムは不明であった。今回の論文において、Rasを不活性化する酵素であるGTPaseを活性化するRasGAPsファミリーのうち、RASAL2に変異(不活性型)があることがRas pathwayの過剰活性化の原因のひとつであることが細胞レベル、マウスレベルで証明され、かつ、乳がん患者との関連が示唆された。RASAL2が転移などの予後を予測するバイオマーカーのひとつとして有用であるかもしれないという。