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2013年5 月13日 (月)

立て続けに 祝 論文

立て続けに 祝 論文

関西学院大学の関博士が独立して、初めてのオリジナル論文がついに発表されます。発生学の領域で有名なDevelopmnentという専門誌に受理されたとのことです。ラボオーガナイザーとして独立して初めての論文は大変嬉しいものです。おめでとう!立て続けに、投稿されているもう一つの論文も楽しみです。今年は論文を量産していくということ。ポジティブループですね。後輩達にも良い刺激になります。沖米田博士の良い先駆者として、お互い切磋琢磨しながら、さらに成長していくことでしょうね。

先週の腎臓学会でもトピックでしたが、慢性疾患はヒストン修飾を含め、エピゲノムで説明するしかできないのではと思います。多因子性疾患の創薬は一つのメカニズムの薬ではコントロール不可能であろうと思います。さすが関君です。先見の明が素晴らしいです。

 

紹介される論文の概要は以下の通りです。

 

『始原生殖細胞の増殖が世代を超えるエピゲノム変異を修復する』
我々は以前、卵・精子の元になる始原生殖細胞が、DNAのメチル化などのエピゲノム情報をゲノム全体から消去することを明らかにしました。今回の論文では、始原生殖細胞がDNA複製時のメチル化維持に関わるUHRF1の発現を抑制し、さらに活発な細胞増殖を行うことで、DNA複製依存的にDNAメチル化情報を希釈することを突き止めました。DNAのメチル化は食事・環境などによって変化し、特に始原生殖細胞が存在する胎児の子宮環境が生まれてくる子供だけではなく、次の世代の疾患(糖尿病・心疾患)を誘起することも分かってきています。今回の報告は、始原生殖細胞の増殖活性が世代を超えて伝達するエピゲノム変異の修復機構を担っていることを示しており、始原生殖細胞の増殖活性を指標とした世代を超えるエピゲノム変異原のスクリーニング法の開発が期待できます。

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