2012年11 月27日 (火)
食生活と大腸がん食生活と大腸がん
今年の7月号のPLoS oneに掲載された神戸大学の先生達の論文はインパクトが大きい。 2012 PLoS Oneをダウンロード
大腸がんの早期診断のバイオマーカーをメタボロミクスで患者さんの血液を調べたところ、何と人工甘味料などに由来する成分が多く含まれるほど、大腸がんになっているという。これを逆手にとり、バイオマーカーとして
2-hydroxybutyrate, aspartic acid, kynurenine, cystamine
の4種の成分を測定し、独自の予測式にあてはめると、85%という確度で早期診断ができるというのである。現在、臨床で使用されている腫瘍マーカーは、早期患者の診断には感度が低く使えないため、今回の手法は多くの病院に採用されて行く可能性は極めて高い。極めて重要な研究成果である。先週の土曜日のシンポジウムの最後の講演者の吉田先生の発表を拝聴し、大変感銘を受けた。大腸がんは高度成長期から増えて来た疾患であり、食生活と密接に関わることは知られていた。今回の報告はそれをも裏付ける。有機栽培の農作物を地産地消でという生活スタイルが一番の予防薬のように思う。