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2012年11 月 8日 (木)

心肥大抑制と漢方薬構成生薬「丹参」

心肥大抑制と漢方薬構成生薬「丹参」

「丹参(たんじん、Salvia miltiorrhiza):中国原産であるため、中国で一番古い生薬の書物である『神農本草経』にも掲載されているが、日本で主に行われている古方派の漢方では、あまり用いられていない。時代が下るに従いよく用いられる傾向があり、血の道と呼ばれていた月経不順や肝臓病、胸痛・腹痛などに用いられる。また、心筋梗塞、狭心症の特効薬として中国で近年よく用いられる「冠心II号」の主薬として用いられている。」Wikipediaより。

 

  Nature Med. 10月号の論文をKosukeが紹介。カロリー制限でも心肥大が抑制されることは既に報告されていた。カロリー制限でSirtuin familyが活性化されることは有名である。そのfamilyのひとつであるSirt6が心肥大患者の心臓において減少していること、Sirt6ノックアウトマウスで心肥大が起こること、Sirt6の活性化でIGF-Aktシグナルが抑制されること、転写因子c-junがSirt6により抑制されていること、c-junがIGFシグナル系の遺伝子発現に関わっていることが明らかにされた。さらに、Tanshirone IIαというAP-1阻害薬 (c-junを抑制) やPQ401というIGF1受容体阻害薬で心肥大が抑制されることを示している。大変クリアなデータが多い。面白いことに、Tanshirone IIαは丹参由来の成分であると言う。JBCの10月号にもSirt6-c-jun経路が慢性肝炎の増悪にも関与していることが明らかになっており、上記の丹参の効能が今回の一連の研究成果で裏付けられているようにも思う。心肥大は自覚症状が無いため、予防的な投与になるが、高血圧治療薬の中に、Sirt6経路を活性化するようなものがあればより有効であろう。心肥大の推定患者数は200万人とも言われている。丹参を含む漢方薬の普及でも良いかもしれない。

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