2012年7 月 4日 (水)
新たな抗ガン薬の開発へ新たな抗ガン薬の開発へ
2012年3月のCancer Cellより。創薬生命3年のNomanの初プレゼン。ゲフィチニブ耐性のガン細胞に対して効果を示す薬の開発に繋がる分子の発見。その分子は、肺腺ガン細胞で高発現したROR1というチロシンキナーゼであり、ガン増殖に繋がるシグナルも複数の経路を介していることも明らかにされた。ゲフィチニブに感受性細胞にもROR1の抑制を併用することにより抗ガン効果がより増強するという。ROR1の活性は、キナーゼ活性の抑制で説明できることからキナーゼ阻害薬は有望な抗ガン薬になる可能性が高い。さらに、ROR1はEGFRの活性化機構にも影響する可能性も示唆されており、今後のさらなる検討が楽しみである。セミナーもしっかりと準備をしたものであった。この論文は、抗ガン薬の開発において重要な知見を提供しているのではと思う。この論文が3月に発表された時に、Web上で騒がれた。『肺ガンのアキレス腱を発見」と紹介されたのも納得がいく。国内外の製薬企業は阻害薬を既に所有しているのではーー。