2012年6 月 6日 (水)
記憶の維持記憶の維持
Cellの4月号からJyuriaが紹介。small RNAにはsiRNA, miRNAだけでなくpiRNAというものがあり、piRNAは生殖細胞特異的と考えられていたが、今回、中枢神経系にもpiRNAが存在し、エピジェネティックにシナプス可塑性を制御し、記憶の保持に関与していることが明らかにされた。そのターゲット分子はほ乳類でも記憶に関与することが証明されていたCREBであり、CREB1の抑制分子であるCREB2の発現をDNAメチル化により抑制し、その結果、CREB1による転写を持続的に増強することにより記憶の保持をするという。piRNAは2006年にPiwi proteinと結合するsmall RNAとして発見され、生殖細胞の維持・形成に重要な役割を果たしていることが分かっていた。今回の論文はAplysia(アメフラシ)での知見であり、今後、マウスやヒトでも同様であるかについての知見が発表されてくることを期待したい。