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2012年6 月14日 (木)

アルブミン尿のメカ

アルブミン尿のメカ

Kidney Int. 4月号からRUIちゃん。糸球体においてスリット膜を形成するポドサイトにおけるRhoAが重要な役割を担っているメカニズムを詳細に明らかにした論文。過去に、正常状態におけるポドサイトの足突起構造維持にはRhoAが必要であること、ポドサイトにおけるRhoA活性化は巣状分節性糸球体硬化症を誘発することは知られていた。今回の論文では、活性型RhoAおよび不活性型RhoAのポドサイト特異的なトランスジェニックマウスを作成したところ、どちらもアルブミン尿が増加するという表現型を示すことがわかった。活性型、不活性型RhoAはそれぞれ異なるメカニズムでアルブミン尿を増加させているという。活性型RhoAでは、PI3K/Akt経路を抑制し、ポドサイトのアポトーシスを引き起こすだけでなく、ネフリンの発現を抑制する。不活性型RhoAでは、細胞骨格に影響し、ストレスファイバー形成不全になり、ポドサイトの足突起消失を起こすという。アポトーシスを起こす経路に関わるROCKの阻害薬は有用であるかもしれないという。話は変わるが、ROCK阻害薬は眼内圧を低下させる緑内障治療薬としても極めて有望という。

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