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2012年4 月24日 (火)

新しい抗糖尿病薬エキセナチドがアルツに効く!?

新しい抗糖尿病薬エキセナチドがアルツに効く!?

エキセナチドというGLP-1受容体作動薬が日本でも2010年12月に抗糖尿病薬として認可された。2012年4月号のJ.Clin.Invest.に、この薬がアルツにも有効であることが報告され,本日の朝ゼミでShoちゃんにより紹介された。この論文では、まず、アルツの患者脳でインスリン抵抗性が起こっていること、アミロイドβオリゴマーが細胞レベル、動物レベルでインスリン抵抗性を起こすことを明らかにし、このインスリン抵抗性には脳におけるTNFα産生を介しているということ示している。つぎに、アルツの患者脳では、インスリン受容体の発現が低下していることから、それ以外のメカニズムということで、GLP-1受容体に作用するエキセナチドを試験した。エキセナチドは血液脳関門を通ることが大きな特色であり、エキセナチドの投与によりアミロイドβオリゴマー産生を抑制し、かつ、TNFαの下流であるJNKのリン酸化を抑制することによりインスリン抵抗性を改善し、脳内インスリンシグナルの活性化により認知機能が改善されるという。面白いことに、このエキセナチドは1992年にglia monster(アメリカドクトカゲ)の唾液から発見されたexendin-4(39個のアミノ酸からなるペプチド)を合成したものであり、GLP-1との相同性は50%という。このトカゲと糖尿病の関係については、NHKのためしてガッテンでも紹介されていた。どういうところに薬の種があるかわかりませんね。でも、このトカゲの名前、glia monsterということからgliaから脳をイメージできますね。偶然は必然か。モンスターの風貌をした、神が送った救世主か?面白い、面白い。

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