2012年2 月10日 (金)
にが茶のその後2にが茶のその後2
本研究室等で成分分析し、その原産地保証した鹿角霊芝商品である「にが茶」のその後の動向について報告したい。昨年の2月、煎じ用として発売した「にが茶」は1周年を迎えた。この1年、昔から鹿角霊芝のことを知っている年配の方々がコアな購入者であり、販売している薬剤師の多くは鹿角霊芝のことを知らないこともあり、そこまで普及していない。また、発売後に、分かったことは、苦く感じる方と全く苦くないという方に2分されていることである。苦味の受容体の発現量の違いによるのか、あるいは、苦味受容体の感受性が体調と何らかの関係があるのかは今後の研究課題になるのかもしれない。この1年、煎じ用ということで「にが茶」を販売してきたが、その根拠は、我々の実験により、自然免疫増強という観点からの生物活性試験において活性があった成分が熱湯抽出でも充分溶出することがわかったからである。ただし、煎じた場合は、親水性のトリテルペン類が中心であることから、煎じても溶出されにくい脂溶性のトリテルペンの作用は期待できないことになる。そこで、今年になって発売を始めた、「にが茶」顆粒は、微粉末の鹿角霊芝50%と苦みを軽減するための食品添加物として有名な環状オリゴ糖(βシクロデキストリン)50%を含む。この顆粒は、熱いお湯150-200mlくらいに入れると分散性がよく、また、苦みも軽減されるだけでなく、少し甘みを感じ、大変飲みやすいと好評である(商品名を「そんなに苦くない茶」にしても良いかも)。また、科学的な見地からは、脂溶性のトリテルペン類も摂取でき、変化をより実感できる可能性がある。我々が鹿角霊芝のトリテルペン類について、色々と調べて行く中で、最近、大変心強い知見がわかってきた。昔から漠然と言われてきた鹿角霊芝の効能のひとつの抗糖尿病作用が、親水性トリテルペンの作用機序と疎水性トリテルペンの作用機序で説明できるかもしれないということである。現在まで、飲用されている方からのフィードバックの声で、今まで変わらなかった糖代謝異常が改善したという報告が少なからずあったが、私はプラシーボだというくらいにしか思っていなかったが、最近は、かなり前向きに捉えるようになり、この4月から、研究をさらに本格的に進めていくことにした。研究テーマでもあり、あまりネタをばらすのはいけないので詳細は記載しなかったが、病院に行ったり、色々と試みても糖代謝がより改善していない人たちに試しに勧めてみる価値があるのではと思い、少人数でも健康になる人が出てほしいと思ったため、ブログにこのような内容を記載した意味を理解してほしい(薬事法で問題ならないように配慮したつもり)。私は、最近、パーティや懇親会が多いため、大学や出張では携帯できる顆粒を、家では、煎じを、予防のためにマメに飲みだした。価格は1包あたり150円くらいでペットボトル1本の価格だと思っているが、せめて1包100円にして、もっと沢山の人に試してもらいたいというのが本音である(元々、鹿角霊芝は高価であるため、安くしても、この量を入れると、この程度の価格になるらしい。中国産や他の産地のものは比較的安いものもあるというが、我々が成分特定し品質保証した鹿角霊芝のように、どこまで保証できるかという点が気になるーー)。しかし、現在、販売元に粘り強く、価格を下げるための交渉中。何らかの方策があるはず。安くなって皆に試しに飲んでみてほしいから。ただ、今後の研究成果次第だが、若い人には、あまり有用ではないかもしれないとも思っている。何れにせよ、温故知新的な研究も面白いものである。「温故知新」的研究から「温故革新」的研究へ推移か。
販売は、大学病院の恵和会売店、薬学部生協、シモカワ薬局全店舗、県内のいくつかの薬局が行なっている。
以下の写真は新発売の顆粒。