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2012年2 月10日 (金)

皮膚がんの薬がアルツに有効?

皮膚がんの薬がアルツに有効?

本日の朝日新聞コムに掲載された話題。RXRアゴニストであるbexaroteneをアルツハイマーのモデルマウスに経口投与するとApoE依存性に数時間以内に可溶型Aβのクリアランスが促進され、72時間以内に、Aβプラークがある面積が50%以上低下するという。さらに、bexaroteneはマウスのアルツハイマー様の行動や神経機能も急激に改善したという。この報告は、現時点で、ScienceのExpressに要旨だけが無償で掲載されている。何れにせよ、まずは、この論文の全ページを見てみたい。この論文で用いられた投与量が臨床で投与できる量であるかどうかを知りたい。もし、本当だとしたらすごい話。現在、この薬はエーザイが全権を持っているという。偶然か、あるいは既に企業として把握していたとはいえ、アリセプトの後継という観点からも興味深い。ScienceやNatureに掲載されても再現性が取れないという知見があることはよく言われているが、アルツ関連研究者が独自のモデルで再現性を調べて報告してほしい内容である。また、すでにbexaroteneを使用していた皮膚ガン患者の中に、アルツ様の症状が改善したということはなかったのかについて臨床からの報告も待ちたい。

 bexaroteneの商品名は

再発性皮膚浸潤性T細胞リンパ腫治療剤「タルグレチン・カプセル」および「タルグレチン・ゲル1%」

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