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2012年1 月18日 (水)

上皮の細菌感染防御

上皮の細菌感染防御

Nature Immunol.12月号から薬学科B5のOnuki君のプレゼン。細菌感染時、粘膜上皮細胞からIL17Cが産生され、自然免疫を活性化したり炎症を悪化することを明らかにした。今まで、IL17Aの上皮における関与はよく知られていた。IL17Cは他の候補IL17ファミリーよりも早期に発現誘導され、また、TLR2とTLR5の活性化により誘導されるのは IL17Cのみであるというのが特色という。TLR2とTLR5を介さずとも、TNFとIL1betaによってもIL17Cが誘導される。さらに、IL17RA/E受容体複合体がIL17Cの受容体であり、他のIL17ファミリーはIL17RA/C受容体複合体が受容体であるという。ゆえに、IL17Eのノックアウトマウスを使うことでIL17Cの関与が調べられる。IL17RA/E受容体はケラチノサイトと大腸粘膜、気道粘膜に発現が高いという。創薬の観点からは、皮膚の病気である乾癬の治療薬としてL17RA/E受容体選択的ブロッカーを皮膚局所に投与すれば、大腸粘膜等の自然免疫能には影響を与えずに、皮膚炎症を抑えることが可能であろう。今回の知見が、マウスだからなのか、ヒトでもそうであるのかが証明されれば面白い。

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