2011年9 月26日 (月)
がんの浸潤と転移とカベオリンがんの浸潤と転移とカベオリン
Cellの7月号から、学部3年のマッチコーヘイの2度目のプレゼン。よく読みこなしていた。できても中々、浸潤転移しにくい癌がある。この癌の周りには繊維芽細胞が籠のように取り囲んでいるという。一方、この繊維芽細胞が高速道路のごとく縦に並んだ形態をとると、癌の浸潤転移が起こってしまうという。このような微小環境の違いが癌の悪性度に大きく影響するという.この繊維芽細胞の形態変化に繊維芽細胞に発現するカベオリン1が大きく関与している事が証明された。この論文において、カベオリン1のノックアウトマウスでは、癌の転移能が低下しているという。ヒトのガン組織切片における繊維芽細胞上のカベオリン1の発現量とサバイバルがきれいに相関している。診断マーカーとしても有用であるが、カベオリン1のノックアウトは他の表現型が出ない(副作用がない)ことから治療薬のターゲットとしても面白いだろう。