2011年9 月27日 (火)
COPD患者に朗報!?COPD患者に朗報!?
現在、開催されているヨーロッパ呼吸器学会において、Elevation Pharmaceuticals社のEP-101 (a proprietary inhalation solution formulation of glycopyrrolate, a long-acting muscarinic antagonist (LAMA), delivered by an optimized, Investigational eFlow® Nebulizer System (PARI Pharma GmbH))のCOPDに対する臨床試験Phase IIの結果が極めて良好であったことが発表されている。PARI Pharma GmbH社の液体吸入装置を用い、長時間作用型の抗コリン薬であるglycopyrrolate液を吸入すると良いという話。1日1回の吸入でよく、服薬コンプライアンスも極めて良いという。いつ日本に上陸するだろうか。
(追加情報) Glycopyrrolateはそれほど新しい化合物ではなく、そろそろ特許切れでしょうか(1990年には報告がある)? ジェネリックとして安く提供できそうな所を新たなデバイスを用いて付加価値を高める試みのようですね。懸念としては最近報告されたSPIRIVAの死亡リスク上昇でしょうか?(もうひとつの最近のレポート)粉末吸入剤型では指摘されていませんが、改良型のレスピマット吸入剤(ミストでの吸入)でのみ報告されています。粉末に比べて使用量もかなり減っているにもかかわらず、心血管リスクの上昇も報告されています。抗コリン薬の多くは4級アミンで消化管やBBBを通過しにくいことから全身性の副作用の懸念は少ないとされてきました。SPIRIVAの場合、作用持続が長い上に血中での安定性も高く、もし血中に入ると腎毒性の懸念があることは指摘されており、腎臓に重い障害のある患者は禁忌でしたが、ミスト剤型で全身的副作用の懸念が具現化してしまった形です。今後の検証は必要ですが、血中での安定性が非常に悪くSPIRIVAよりも全身的副作用の懸念が少ない医薬品の開発がポイントになるらしい。