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2011年5 月25日 (水)

感染初期に、単球が血液中へ遊走してくる仕組み

感染初期に、単球が血液中へ遊走してくる仕組み

Immunityの4月号から Ihorinが紹介。細菌に感染すると好中球や単球が増えてくる。生体防御にとって重要な現象である。骨髄から産生してくるが、好中球についてはかなり明らかになっていたが、単球については明確になっていなかった.感染初期の単球の血中への遊走は感染組織から産生されるサイトカインでは量が少なく説明できないとされてきた。今回の論文から、細菌由来の成分が血液中に遊離してくると、骨髄間葉系細胞とCAR (CXCL12-abundant reticular) 細胞上のTLR2,4,5,9などを刺激してMCP1が産生され、単球のCCR2に作用して、骨髄から血中へ単球が遊出されるという。面白いのは、細菌由来の成分 (LPS)が高濃度になると血中の単球は増えないという知見。ベルシェイプ型の濃度反応曲線をとる。本論文知見は、軽度の感染時の自然免疫機構を明らかにしたものであり、重篤な感染時は骨髄由来のサイトカインというより感染末梢組織由来の大量のサイトカインにより、単球を増やしているのかもしれない。骨髄のMCP1産生細胞にあらゆるTLRを発現していることから、骨髄が初期感染に対する生体防御にいかに重要かというクリアに示している。

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